「起業したいけど、何から始めるのかわからない」。
そんな方は多いのではないでしょうか。
この記事では、以下のような内容を解説していきます。
これから起業を考えている方は、ぜひ参考にしてください。
目次
起業とは?
起業とは、名前の通り新しく事業を起こすことを意味し、法人や個人といった事業形態は関係ありません。
具体的には、新しい商品やサービスを作り出し、それらを市場に出すことを含みます。
企業の目的はさまざまで、社会問題の解決や、世の中の不便や不満を解消するような新たな価値を生み出すなどがあげられます。
起業は「開業」と言い換えられる場合がありますが、開業は主に個人事業主に使われるようです。
起業するためにまず始めたい5つのこと
まずは、起業するために始める5つのことを解説します。
具体的には以下のような項目があげられます。
1つずつ見ていきましょう。
どのような事業を始めるかアイデアを出す
1つ目は、起業するにあたってどんなビジネスを始めるのか、アイデア出しをしていきましょう。
アイデア出しの際は、自分の好きなことや強み、これまでやってきたことを中心に考えたり、世の中のニーズや不満をヒントにして考えたりするとよいでしょう。
アイデア出しで大切なのは、とにかく数を出すこと。
さまざまなアイデアを出せれば、アイデア同士を掛け合わせて新たなビジネスが生まれることもあります。
まずは深く考えすぎず、とにかく多くのアイデアを出すことを優先させましょう。
どの形態で開業するか選択する
起業するには、起業形態を考える必要があります。
起業形態は大きく分けて以下の3つ。
- 副業で起業する
- フリーランスor個人事業主で起業する
- 法人化して起業する
最も無難とされているのは、副業として起業する方法です。
副業としての起業は会社員としての収入を得ながら起業できるので、リスクを最小限に抑えることができます。
もちろん、最初から個人もしくは法人で起業することが悪いわけではありませんが、それなりの資本と覚悟が必要になるでしょう。
現状の自分と照らし合わせながら、起業形態を決めていくことをおすすめします。
個人事業主と法人の違いについては、以下の記事で解説していますので、併せてご覧ください。
事業計画書を作ってみる(資金融資を受けるなら絶対必要)
金融機関から融資を受ける想定の事業であれば、事業計画書は必須書類となります。
事業のアイデアや起業形態がおおよそ決まってきたら、実際に事業計画を立ててみましょう。
事業計画書には主に以下の項目を書いていきます。
- 創業者のプロフィールや略歴
- 創業の背景
- ビジョンや目的、理念
- 事業内容
- 商品やサービスの特徴、強み
- 競合や市場環境
- 自社の強みと弱み
- ビジネスモデル
- 従業員数
- 財務計画
事業計画書を作る際は、上手くいっている状況だけでなく、最悪の事態も想定しているとベストです。
副業や個人事業でミニマムな起業を考えているのであれば、上記のような事業計画書はなくても良いでしょう。
しかし、事業全体の方向性や市場環境、強み弱みなどは、事業を営む上では欠かせない要素なので、簡単でも良いので作成することをおすすめします。
資金調達の方法を考える
資金調達が必要な事業であれば、どう資金を集めてくるのかを考える必要があります。
資金調達方法は大きくわけて以下の3つが考えられます。
- 金融機関からの融資を受ける
- 日本政策金融公庫(公庫)からの融資を受ける
- 補助金や助成金の活用
上記の中でも、創業に向いている資金調達方法は、公庫からの融資です。
というのも、公庫には「新創業融資制度」や「新規開業資金」など、創業向けの融資制度が整っているため。
また、低金利も非常に魅力的ですので、創業時にはぜひ活用したい融資制度です。
資金調達方法について詳しく知りたい方は、以下の記事も併せてご覧ください。
事業用の法人クレジットカードを作っておく
現時点で、まだ会社に籍がある場合は、退職前に個人向けのクレジットカードを1枚作成しておくのがおすすめ。
既に会社を辞めている場合は、本人確認のみで作成できる以下のような法人カードを作成しましょう。
- 三井住友カード ビジネスオーナーズ(一般)
- free Mastarcard(or VISA)
- JCB一般法人カード
なぜ法人カードをもっておいた方が良いのかと言うと、経費精算が楽になるためです。
個人用のクレジットカードしかなければ、プライベートと事業用の経費が混ざるため、経費を仕分けする際に手間が増えてしまいます。
そうした点からも、法人カードは1枚作成することをおすすめします。
起業するまで順番と流れ
起業をするまでの順番と流れは以下の順番で行いましょう。
- 起業したい理由・目的を考える
- どのような分野で起業するか決める
- 起業するための資金を準備する
- 開業手続きをする
- 事業開始
1つずつ見ていきます。
1.起業したい理由・目的を考える
起業するにあたって、起業の目的を考えることは非常に大切です。
目的が曖昧なまま起業をすると、ビジネスの方向性や軸が定まらず失敗する原因となります。
また、目的が曖昧だと、苦しい時の踏ん張りが効かなくなることもあります。
「会社員を辞めたいから起業する」といった理由も悪ではありませんが、可能であれば以下のような点も含めて考えましょう。
- 「何を実現したいのか」
- 「自分は起業を通してどうなりたいのか」など
上記のような点を、自分の中で突き詰めて、人に話せるくらいまで噛み砕いて考えましょう。
2.どのような分野で起業するか決める
起業の目的が定まったら、次は実際にどのような分野で起業するのかを決めていきます。
多くの商品やサービスが存在している一方で、まだまだ不足している商品やサービスは隠れています。
たとえば、既存サービスと何かを掛け算して新しいモノを作ったり、自分の不満を満たすサービスを考えたり。
そこまで思いつかないなら、流行の最先端に乗るというのも、1つの選択肢となる場合もあるでしょう。
どんなビジネスでも、地域や社会の課題やニーズを解決できるようなサービスであれば、事業の拡大スピードも早くなります。
そのため、どのような分野で起業するのかは、検討に検討を重ねて、じっくりと考えていきましょう。
3.起業するための資金を準備する
事業を健全に営んでいくためには、ある程度の資金を準備しなくてはなりません。
もちろん、事業によっては原価がほとんどかからない場合もありますが、それでも起業後すぐに安定した売り上げが上がるとは限りません。
最低でも、3ヶ月以上の開業資金は用意しておくと良いでしょう。
ちなみに、融資などで確保すべき金額は、以下の計算式で算出できます。
融資などで必要になる金額=起業資金-開業資金
安心して起業するためにも、開業資金はゆとりを持って準備しておくことをおすすめします。
4.開業手続きをする
開業手続きは、大きく分けて以下の2つの手段があります。
- 個人事業主として開業する
- 法人を設立する
1つずつ手続き内容を見ていきましょう。
個人事業主と法人の違いについては、以下の記事で解説しています。
個人事業主として起業する
個人事業主として開業する場合は、税務署へ開業届を提出します(開業から1ヶ月以内)。開業費用はかからないため、法人化に比べ気軽さがあります。
しかし、法人に比べ社会的信用力が劣る点は、覚えておく必要があります。
開業届は任意ですので、必ず提出する必要はありません。とはいえ、開業届を出すことで「青色申告」が適用できますので、節税のメリットは大きいでしょう。
法人を設立して起業する
法人設立の場合は、個人事業主の時よりも手続きは煩雑になります。
具体的には以下の手続きが必要です。
- 法人印の作成
- 定款を作成し、公証人役場で認証を受ける
- 資本金を払い込む
- 法務局で登記申請をする
登記申請に不備がなければ、1週間〜10日程度で登記が完了し、晴れて法人設立となります。
5.事業開始
上記の工程を終えたら、実際に事業を開始します。
起業したての頃は、思うような結果が出ないことが多いかもしれません。
また、どうすれば改善するかを考え検証するという、まさに考えながら動くという状況が増えるでしょう。
最低でも1年間は事業を継続できるよう、覚悟を持って取り組むことが大切です。
常に自己研鑽を怠らず、起業時に掲げた目標や在り方を叶えられるよう、進んでいきましょう。
起業におすすめの業種は?共通する3つの条件
起業におすすめの業種は、以下の条件に当てはまる業種です。
- 初期投資が少ないこと
- 在庫を持たないこと
- 市場や顧客のニーズがあること
ここでは、それぞれの業種を1つずつ見ていきます。
以下の記事では、起業におすすめの業種や、失敗のリスクが高い業種について解説しています併せてご覧ください。
1.初期投資が少ない
初期投資が少なければ少ないほど、起業のハードルは下がります。
また、初期投資が低ければ損益分岐点は低くなるため、早くから利益も見込めます。
たとえば、パソコン1つで開業できる業種や事業内容であれば、飲食店などに比べ初期投資は少なく起業できるでしょう。
何から始めれば良いか迷っている方は、初期投資の大小も比較してみてくださいね。
2.在庫を持たない
最初から多くの在庫を抱える業種だと、万が一売れなかった際には不良在庫となります。
当然ながら仕入れにはお金がかかってますので、売れ残りが多くなると利益率が悪くなるでしょう。
反対に、在庫を持たない業種であれば、在庫を持たない分損失が少なく済みます。
つまりは、売れなかった時のリスクを削減できるということです。
また、在庫なしの業種は、作業工数も少ないことから1人で始めることも可能。
「まずはスモールスタートしたい」という方は、在庫を持たない業種も検討してみましょう。
3.市場や顧客のニーズがある
ビジネスを始める前提の話ですが、市場や顧客からのニーズがある業種を選ぶようにしましょう。
自分のやりたいことを優先させすぎてしまうと、誰にも刺さらないビジネスになりかねません。
既に一定のニーズがある業種であれば、ある程度の利益が見込める可能性があります。
とはいえ、既に成熟しきっている業種、いわゆるレッドオーシャンという分野に手を出すと、成長していくのは難しくなるでしょう。
1つ直近で例を出すと、コロナ禍における変化に対応し、業績がUPしている業界・業種は、おすすめだと言えます。
ぜひ、様々な角度・視点から、市場や顧客ニーズをリサーチしてみてください。
以下の記事では、2023年におすすめのフランチャイズをまとめています。起業アイデアの参考にしてみてください。
起業を失敗で終わらせないために
せっかく意を決して起業をしたのですから、失敗したくないと誰もが思うでしょう。
ここでは、起業を失敗で終わらせないための方法を見ていきます。
- 副業から始める
- 小さな規模から始められる業種を選ぶ
起業の成功率や失敗の原因については、以下の記事で詳しく解説しています。
副業から起業する
副業から起業することで、失敗のリスクを抑えることができます。
なぜなら、副業としての起業であれば、本業からの給与が担保されているためです。
起業で失敗する原因の1つは、生計が立てられなくなること。
安定的な資本がある状況であれば、中長期的なスパンで事業を運営できます。
また、心理的にも不安定になりにくいため、自事業に集中しやすくなるでしょう。
よく「起業は副業から始めよ」と言われる理由には、こうした背景があるのです。
小さな規模から始められる業種を選ぶ
起業で失敗しないセオリーの1つは、小さく初めて大きくしていくこと。
そのため、小さな規模から始められる業種を選ぶのも、失敗しないための1つの選択肢で
す。
代表的な例としては、パソコン1つで始められる業種や、在庫を持たない業種などがあげられます。
これらの業種と適正があるかは別として、スモールスタートできる業種であれば失敗しにくくなるという点は押さえておきましょう。
反対に資金を調達して大きく始めた場合は、ランニングコストも大きくなりますので、しっかりとした事業計画が大切になります。
起業アイデアの例|3パターンの実例を紹介
ここでは以下3つの起業アイデアを見ていきます。
- 副業から婚活アドバイザーとして活躍
- 経験を積んで自宅サロンを開業
- 会社員をしながら週末だけキッチンカー営業
なかなかアイデアが思いつかない方は、ぜひ参考にしてみてください。
起業アイデア例(1)副業から婚活アドバイザーとして活躍
最近では、副業から婚活アドバイザーとして活躍している方が増えています。
婚活アドバイザーとは簡単に言うと、結婚をしたい人の婚活サポートを行う人です。
一般的に、婚活アドバイザーの顧客となるのは会社員がほとんど。
つまり、稼働日は土日や休日が多くなるため、副業に向いています。
婚活アドバイザーには特に必要な資格もないため、未経験の方でも始められるでしょう。
婚活サービスの利用経験者は右肩上がり。今後さらなる需要となることが予測されます。
気になる方は、以下の記事で副業の婚活アドバイザーについてチェックしてみましょう。
婚活アドバイザーについて詳しく知りたい方は、以下の記事をチェック↓
起業アイデア例(2)経験を積んで美容系自宅サロンを開業
美容系の仕事に従事している方におすすめの自宅サロン。
美容系サロンは主に以下のような種類があります。
- ネイルサロン
- エステサロン
- まつ毛エクステサロン
- リラクゼーションサロン
- 脱毛サロン
自宅で美容系サロンを開業すれば、物件取得費を抑えることが可能です。
また、自宅での稼働となるため、家事や育児との両立もしやすくなるでしょう。
しかし、自宅サロンには立地条件を選べない点や、仕事とプライベートの区別がつきにくいというデメリットがあるのも事実。
とはいえ、デメリットを踏まえても自己資金を抑えて起業できるため、スモールスタートをしたい方にはおすすめです。
エステサロン開業に関する詳しい内容は、以下の記事で解説しています。
起業アイデア例(3)会社員をしながら週末だけキッチンカー営業
本業の収入を得ながらキッチンカーで起業するのもおすすめ。
キッチンカーの売り上げが最も大きいのは土日の売り上げ。つまり、会社員でも土日休みを活用して営業をすれば、副収入を得ることが可能です。
また、キッチンカーは店舗とは違い、大きくかかる費用は車体費のみ。加えて、1人でも営業できるため、人件費も抑えられるメリットがあります。
とはいえ、イチからキッチンカーの起業を進めるとなると、なかなか厳しいと考える方も多いのではないでしょうか。
そうした方は、フランチャイズでのキッチンカー開業も検討してみましょう。
フランチャイズであれば、メニュー作りから運営に必要なノウハウを提供してもらえるので、忙しい会社員の方にもおすすめです。
以下の記事では、キッチンカーの開業方法やおすすめのフランチャイズについて解説しています。少しでも興味のある方は、ぜひ一度ご覧ください。
起業するには何から始める?に関するよくある質問
ここでは起業するには何から始めるか、に関するよくある質問をまとめました。
起業するには何が必要ですか?
起業するのに必要な内容は以下の通り。
- ビジネスアイデア
- ビジネスプラン(事業計画)
- 資金
- ビジネスを支えるチーム
- チームを動かすリーダーシップ
チームやリーダーシップに関しては、必ずしも誰かを雇って起業するとは限りませんが、経営者として持っておきたい要素です。
起業したいけど何からしていいかわかりません
起業するための第一歩は、ビジネスアイデアを明確にすることです。
起業して解決したい問題や、提供したい商品やサービスは何か、それが市場に受け入れられる可能性があるか考えてみてください。
起業したいけどアイデアがありません
アイデアがない場合でも心配する必要はありません。
まずは自身の経験や強みから、どんなビジネスが向いているかを深掘りしてみましょう。
また、市場リサーチをすることで、誰かの不満を解消したり、ニーズを満たす商品やサービスがないか探るのも良いでしょう。
起業したいけどお金がありません
お金ながい場合でも、起業する方法はいくつかあります。
たとえば、金融機関からの融資による資金調達が代表的です。
日本政策金融公庫では、新創業融資制度といって、無担保・無保証で利用できる融資制度があります。
他にも、クラウドファンディングを通して資金調達する方法も、最近では身近になってきました。
開業資金はあるに越したことはありませんが、ない場合でも事業の将来性があれば、いずれかの方法で資金調達は可能でしょう。
女性でも起業はできますか?
女性でも起業は可能です。性別は企業に必要な能力や資格を決めるものではありません。
実際、多くの女性起業家が成功を収めている事例はたくさんあります。
たとえばエステサロンや婚活アドバイザーなど、女性という立場が強みになる業種やジャンルを探すのも良いでしょう。
まとめ:起業するならまずはアイデア出しから始めよう
起業するために始めるファーストステップは、アイデアを出すこと。
アイデアを出す際は、質よりも数を出すことを意識し、思いつくアイデアを書き留めてみることをおすすめします。
多くのアイデアを出せれば、そこから紐づけて新たなビジネスが創出できるきっかけが増やせます。
もちろん、始めようとするビジネスが、市場やユーザーのニーズにマッチしているかも重要です。
また、起業形態は個人なのか、法人なのか、副業なのかを、現状の自分と照らし合わせて
無理のない範囲で進めましょう。