エステサロンの開業は7つのステップで進めます。
どのようなコンセプトにするかといった事業の指針となる事業計画書の作成や、開業資金を調達する方法の検討など、準備期間にすべきことを押さえておきましょう。
ここでは、エステサロンの開業までの流れや必要なもの、開業資金や自宅でサロンを開く際に失敗しないコツを解説します。
エステの開業で迷わないように、全体の流れをつかんでおくことが大切です。
ちなみに、エステサロンを開くならフランチャイズで開業するのが最短コース。
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目次
エステサロンとは?
エステサロンとは「エステティックサロン」の略で、以下のようなものが該当します。
エステサロンに該当するもの | 美顔術・美容脱毛・ボディケア・ハンドケア・フットケア・アロマオイルトリートメントヘッドセラピー・タラソテラピー(皮膚を美化して体型を整えるもの) |
エステサロンに含まれないもの | あん摩マッサージ指圧師・はり師・きゅう師・柔道整復師の施術所・フィットネスクラブ・理容業・美容業・マニキュア業・ペディキュア業・ネイルサロン |
総務省の日本標準産業分類では、エステサロンを以下のように定義しています。
手技又は化粧品・機器等を用いて、人の皮膚を美化し、体型を整えるなどの指導又は施術を行う事業所をいう。
総務省|日本標準産業分類 大分類N-生活関連サービス業,娯楽業
美容師免許を持たずに美容業をしたり、医師免許を持たずに医療行為を行ったりすることは禁じられているため注意しましょう。
エステサロンを開業するなら取得したほうが良い資格
エステサロンの開業に必要な資格は特にありません。
無資格でもエステサロンの開業はでき、エステティシャンを名乗って施術することが可能です。
一方で、何かしらの資格保有者がいたほうがお客さんは安心できるため、来店が期待できるでしょう。
エステティシャンとしての実力を示す資格には、次のようなものがおすすめです。
- AJESTHE認定エステティシャン
- AJESTHE認定上級エステティシャン
- AJESTHE認定トータルエステティックアドバイザー
- CIDESCO(シデスコ)衛生管理資格
エステサロン開業時に取得したい資格については、別の記事でまとめています。
開業するサロンの種類によっても持っておくべき資格は異なるため、どのエステサロンを開業するかによって適した資格を選びましょう。
エステ開業時の資格について詳しく知りたい方は「エステサロンの開業に必要な資格とは?取得するメリットとおすすめの資格を解説」をご覧ください。
エステサロン開業までの7つのSTEP
エステサロンの開業までには7つのステップで進めていきます。
- 事業計画を立てる
- 提供メニューを決める
- 資金調達
- 開業場所・内装の決定
- エステ機器などの備品を揃える
- 施術練習
- エステサロンオープン
どの工程も開業に向けて大切な準備のため、着実に進めていきましょう。
1.事業計画を立てる
エステサロンの開業を決めたら、まずは事業計画を立てましょう。
事業計画とはどのように事業を進めていくかの指針になるもので、経営する際の地図のような役割を担います。
- 個人で事業をするのか・従業員を雇うのか
- 開業資金はいくらを想定し、どこから捻出するのか
- どのようなコンセプトの店舗にするのか
- 集客はどのようなツールで行うのか
- 想定されるリスクはどのようなものがあるか
このようなことをあらかじめ考えておくことにより、自分のやりたくないビジネスになることを防ぎます。
不測の事態が起こった時にもブレずに軌道修正できるでしょう。
事業計画の詰め方が甘く、やりたくないことや売りたくない商品・サービスを扱うことになるとモチベーションが低下し、経営への士気が下がってしまいます。
このことが原因で廃業に繋がる恐れもあるため、事前にしっかりと決めておくことが大切です。
廃業に至った企業がやってしまった失敗は下記の記事で紹介しています。
事業を継続するためにも事前に確認し、反面教師にして経営に臨みましょう。
2.提供メニューを決める
事業計画を立てるのと並行して、提供メニューの決定も進めていきます。
仮に脱毛サロンの開業を検討しているのであれば、脱毛以外に美肌や痩身のメニューを入れるのかといったことを検討していきましょう。
脱毛メニューであれば次のようなメニューを追加できるかもしれません。
- 顔脱毛
- 眉毛セット
- 小顔マッサージ
- 全身リンパマッサージ
- オイルトリートメント など
近隣のサロン店舗とメニューが似てしまう場合は、複数のメニューをセットにした“コース”を設定すると差別化に繋がります。
たとえば顔脱毛と眉毛セットを組み合わせて、“顔脱毛コース”としてみるのも良いでしょう。
周りのサロンのメニューと比較しながら、独自のコースやプランを考えてみてください。
3.資金調達
事業計画を立てられたら資金調達をしていきます。
エステサロンの開業資金については記事後半で紹介しますが、大体600万円〜970万円ほどかかることを見込んでおいたほうが無難です。
貯金などの自己資金で全て捻出できれば問題ありませんが、そうでない場合には金融機関からの融資・借入や補助金の活用なども検討しなければなりません。
金融機関での借入には事業計画書の提出や面談の対応が必要です。
事業計画書の内容が薄いと事業の継続性に不安があるとして融資を見送られる可能性があります。
しっかりと熱意を込めつつも、実現可能な事業計画の作成を行いましょう。
4.開業場所・内装の決定
エステサロンの開業場所としては、自宅・マンション・テナントが挙げられます。
それぞれメリット・デメリットがあるため、ご自分の理想に合わせて選択してください。
たとえば自宅であれば開業資金は抑えられますが、生活感を感じさせないような内装にすることが必要です。
一方でマンションやテナントでの開業であれば生活感は感じにくいものの、前払家賃や保証金が必要になるなど初期費用がかかります。
また、マンションやテナントであれば集客しやすい立地を選んで開業できますが、自宅では場所によっては集客に苦戦する可能性が考えられるでしょう。
住宅街の真ん中にある自宅の場合、場所が分かりづらかったり、最寄り駅から距離があったりして集客しづらい傾向にあります。
SNSで積極的に発信したり、駅などからの分かりやすい地図を用意するなどの対策が必要です。
自宅 | マンション | テナント | |
---|---|---|---|
初期費用 | 安い | 高い | 高い |
内装工事 | 不要 | 必要 | 必要※居抜き物件の場合は不要 |
立地の選択 | できない | 選べる | 選べる |
集客のしやすさ | 難しいこともある | 立地を選べば比較的容易 | 立地を選べば比較的容易 |
店舗を構える以外の開業方法として“出張サロン”があります。
初期費用や開業後のランニングコストは抑えられますが、店舗がないことを不安に感じる利用客も一定数いる可能性がある点に注意してください。
ご自身の理想とするサロンのイメージに合う開業場所を選びましょう。
5.エステ機器などの備品を揃える
開業場所や立地の選定、内装の準備が整ってきたらエステ機器などの備品を揃えます。
エステサロンを利用するお客さんは、理想の効果を実感できるかどうかで次回の利用を決めるもの。
たとえば脱毛サロンでは、脱毛の効果が高いほど顧客満足度が高くなり、リピーターになる可能性が期待できます。
エステ機器の性能は価格に応じて変動しますが、できるだけ高い満足度を得られるような機器を選ぶのがおすすめ。
脱毛サロンなら脱毛機器、フェイシャルサロンなら美肌効果のある機器といったように、開業するエステサロンの種類に応じてエステ機器の性能の高さを選びましょう。
開業初期に高額のエステ機器の導入が難しい場合には、リースを活用したり、フランチャイズに加盟することで安価で機器の購入やレンタルしたりする方法も一案です。
6.施術練習
エステサロンの開業前にしっかりやっておきたいのが施術練習。
いくら研修で練習したり、自宅で家族を相手に練習していたりしても、実際にサロン内での練習が欠かせません。
オープン後に初めてサロン内で施術をすると、ほしいタイミングで備品が取れなかったり、提供メニューの設定時間を大きく外れた施術時間になって焦ったりする可能性があります。
実際の個室で施術内容をひと通りやってみることによって配置や時間の確認ができるため、お客さんを目の前にして慌てるトラブルを回避できるでしょう。
開業前に実際の施術スペースで、コース内容の施術練習を行っておくことが大切です。
7.エステサロンオープン
施術内容がスムーズにできるように練習を重ねたら、いよいよエステサロンのオープンです。
開業までの期間にはSNSの更新やダイレクトメール(DM)のポスティング、チラシの配布などを通して、近隣や顧客になりうる人への認知活動も行います。
なぜなら新規オープンでは、積極的に情報発信をしないと認知されにくくなるためです。
オープン記念キャンペーンでお試し価格での集客も有効ですが、一度限りの来店にならないようにしっかりとした接客で練習の成果を出しましょう。
エステサロンの開業に必要なものと開業資金
エステサロンの開業に必要なものは大きく分けて5種類に分類でき、具体例をまとめたものが次の表です。
必要なもの | 具体例 |
---|---|
物件 | 敷金、礼金、仲介手数料、前払家賃など |
内装 | サロンの雰囲気に合うインテリア、内装工事費用など |
エステ機器 | 脱毛機器、美肌機器、痩身機器など |
備品・消耗品 | タオル、使い捨てパンツ、ティッシュ、施術用ベッド、ソファ、冷蔵庫、電子レンジ、加湿器、レジなど |
宣伝広告 | パンフレット、メンバーズカード、ウェブサイト運用費など |
これらの取得にかかる平均的な資金は次の通り。
必要なもの | 開業資金目安 | 備考 |
---|---|---|
物件 | 0〜200万円 | 賃貸物件の場合、200万円を超えることも |
内装 | 0〜300万円ほど | 自宅よりもテナントのほうが資金が増加傾向 |
エステ機器 | 150万円〜 | 台数によって変動 |
備品・消耗品 | 50万〜100万円ほど | – |
宣伝広告 | 30万円ほど | – |
エステサロンの開業時に揃える備品は、開業時から必要なものとそうでないものを見極める必要があります。
抑えられるところはコストを下げておき、事業が軌道に乗ってから少しずつ拡大していくやり方が資金繰り的にも安心です。
エステサロン開業時に必要になる初期費用に関しては、以下の記事で具体例を交えて解説しています。
完全無人のBOX型サロンであれば、物件取得費や家賃、人件費もかからず低コストでの開業が叶います。
コロナ禍の影響で需要が高まる“セルフエステ”の開業なら「ご近所エステ」のフランチャイズもおすすめです!
自宅でエステの開業を失敗しない3つのコツ
エステサロンの開業において、必要な資金が比較的少ない自宅での開業を目指す人がいる一方で、気をつけなければ廃業に追い込まれる可能性も秘めています。
マンションの一室やテナントを借りるよりも、プライベートに近いため生活感が拭えなかったり、無理な価格設定で利益が出せなかったりするためです。
ここで紹介する自宅での開業を失敗しないためのコツは次の3つ。
- 生活感を感じさせない内装にする
- 価格を安く設定しすぎない
- サロンまでの道順をわかりやすく表記する
自宅での開業だからといって周りよりも低い評価をすることなく、自信を持ってサービスの提供を行なっていきましょう。
生活感を感じさせない内装にする
自宅でのエステサロン開業を失敗しないための1つ目のコツは、生活感を感じさせない内装にすることです。
自宅の一室を施術ルームにする場合、生活感を感じさせてしまいやすい場所はいくつかあります。
- 玄関から個室までの導線
- 洗面所・トイレ
- 居室に繋がる廊下
いくら施術ルーム内が整っていたとしてもふと視界に入る場所で現実を感じてしまうと、しらけてしまったり、居心地の悪さを感じさせてしまったりする可能性があります。
お客さんに違和感を覚えさせることなくエステの時間を楽しめるように、生活感が感じとりにくい空間づくりを意識してみましょう。
価格を安く設定しすぎない
自宅でのサロン開業は、開業費用が抑えられることや集客に時間がかかることから、周辺のエステサロンよりも低い価格設定でサービス展開することがあります。
しかし、自宅だからといって価格設定を安くする必要はありません。
なぜなら自宅を使っても物件を借りても、サービスのクオリティはエステティシャンや経営者次第であるためです。
自宅サロンだからと低価格でサービス提供をしてしまうと、資金繰りが厳しくなるだけでなく、「クオリティの低いサロンなのでは」とお客さんに感じさせる可能性があります。
キャンペーンや多少の割引は問題ありませんが、相場から大きく離れた金額を設定するのは避けましょう。
サロンまでの道順をわかりやすく表記する
自宅でエステサロンを開く場合に集客の妨げになるのが、「場所の分かりにくさ」です。
特に住宅の密集している地域でのオープンだと、最寄り駅からの道のりが分かりにくかったり、「本当にエステサロンがあるの?」とお客さんを不安にさせたりする可能性があります。
お客さんを迷わせたり来店に二の足を踏ませないようにしたりするためにも、最寄り駅や分かりやすいスポットからの道順を分かりやすく表示するのがポイント。
駅から少し距離がある場合には曲がる場所付近の目印を記載したり、視覚的に道がわかるように写真を載せたりすると安心です。
住宅街の中にあるサロンは“プライベートサロン”の雰囲気を演出するにはぴったりの立地。
「自宅では集客ができない」などとネガティブにとらえず、前向きに考えて行動していきましょう。
サービスの向上に集中したいならフランチャイズ加盟も手!
資格を保有していなくてもオープンできるため、開業するハードルの比較的低いエステサロン。
7つのステップを経てオープンになり、決めることや準備することは着実に進めていくことが肝心です。
エステサロンの開業に必要なものや開業資金は、開業場所や物件の状況などによって異なるため事前に確認しておきましょう。
自宅でサロンを開業する場合には、生活感を感じさせない内装や道順を分かりやすく表記するだけでなく、周りのサロンとかけ離れた価格設定をしないように注意してください。
あまりにも安い価格ではお客さんに不安を感じさせたり、開業後の経営状況に不安がでたりする恐れがあるためです。
エステサロンをオープンはサクッと済ませて、接客やサービス内容の向上に集中したい人にはフランチャイズでの開業をおすすめします。
フランチャイズ本部からのサポートを受けることにより、手続きや備品調達などの負担が個人で開業するよりも軽くなることが理由。
接客内容やエステの施術スキルの向上に集中できるはずです。
「フランチャイズ比較.net」を使うと簡単に加盟店を募集しているフランチャイズ本部を探すことができます。
ご自分にあった本部を見つけてエステサロンの開業を実現しましょう。