「フランチャイズは本当に儲かるのか?」と疑問に思う方は少なくありません。
「フランチャイズは儲からない」という声が多い中で、成功への道は本当にあるのでしょうか。
この記事では、以下の内容を深掘りしています。
フランチャイズで独立を夢見る方、すでにフランチャイズを始めたが思うように成果が上がっていない方は、ぜひ参考にしてください。
目次
フランチャイズは本当に儲からない?
「フランチャイズは儲かりにくい」と言われることもありますが、実際には儲かりにくいことはありません。
ここでは、フランチャイズの成功率や平均年収を見て、実際を確認していきましょう。
フランチャイズの成功率は70%
フランチャイズの成功率は約70%と言われています。この確率は、フランチャイズ開業して5年後の成功率です。
そもそも一説によると、起業して5年後の成功率は15%と言われています。
「儲かるかどうか」と「起業の成功率」は、必ずしもイコールにはなりませんが、少なからず儲かっていないと成功を実感しにくいのも事実。
もちろん「フランチャイズは儲かる!」と一概には言えませんが、儲からないビジネスではないと言えるでしょう。
フランチャイズオーナーの平均年収
フランチャイズが儲かりやすいということは、フランチャイズオーナーの平均年収を見てもわかります。
業種 | 平均年収 |
---|---|
コンビニ | 500万~700万ほど |
飲食店 | 500〜1,000万円ほど |
塾経営 | 300〜600万円ほど |
上記は一例ですが、平均年収を見ても「儲からない」とは言いにくいでしょう。
当然ながら、事業規模やジャンルによって平均年収は異なりますが、一般的な給与体系よりは高い水準であることがわかります。
なぜフランチャイズは儲からないと言われるのか
成功しやすいはずのフランチャイズですが、なぜ「儲からない」と言われてしまうのでしょうか。
ここでは3つの理由を紹介します。
- 開業資金による資金不足
- ランニングコストが高い
- ノウハウを完全に享受できない
開業資金による資金不足
開業資金による資金不足に陥り、「フランチャイズは儲からない」と言われてしまうことがあります。
売上の少ない開業初期は資金不足に陥りやすい傾向にあるため、初期費用はできるだけ抑えておくのがフランチャイズでの開業時の鉄則です。
- 内装にこだわりすぎない
- 最初は小規模から始める
- 機器などのグレードは後から高める
これらのことに注意して、開業に多額の資金を注入しすぎないように気をつけましょう。
フランチャイズの開業資金に関しては「フランチャイズの開業資金はいくら?資金の調達方法と抑えるコツ」の記事で詳しく解説しています。
ランニングコストが高い
ランニングコストが高いことも、フランチャイズが儲からないと言われる原因になります。
通常、事業の利益は売上から諸経費を引いたもの。かかる経費が高ければその分利益は減ってしまう計算です。
そのため、フランチャイズ本部に支払うランニングコストが多くなるほど、利益が伸びず、「儲からない」という気持ちが強くなってしまうでしょう。
多くのフランチャイズ本部では毎月支払う費用として、「ロイヤリティ」を設定しています。
その他にも出費がないかどうか契約前にきちんと確認しておくことが大切です。
フランチャイズのロイヤリティについては、「フランチャイズのロイヤリティとは?業界の相場や金額を決める3つの方法」をご覧ください。
ノウハウを完全に落とし込めない
フランチャイズのジャンルによっては、フランチャイズ本部が提供するノウハウを、そのまま落とし込めない場合があります。
よくあるケースが、地域柄が大きく影響する場合。
給与設定は〇〇円、価格は△△円といったノウハウがあったとしても、その設定が地域とマッチしていないと、ノウハウを生かせない場合がある。
結果的に、プランニングシートに記載された内容よりも大きく乖離し、儲からないとなるケースがあります。
儲からないフランチャイズの共通点
儲からないフランチャイズの共通点は以下の通り。
- サポートやトレーニング体系が不十分
- 市場調査が不足している
- 高額な初期費用とロイヤリティ
1つずつ解説します。
サポートやトレーニング体系が不十分
儲からないフランチャイズの1つ目の共通点は、サポートやトレーニング体系が不十分なこと。
フランチャイズの成功は、サポートとトレーニングが鍵です。十分なサポートが提供されない場合、加盟店は多くの課題に直面するでしょう。
また、ビジネスの成長も阻害され、期待される成果は得られない可能性が高いです。
同様に、適切なトレーニングが欠けると、サービスの質は一貫しなくなり、消費者の信頼が低下します。
市場調査が不足している
儲からないフランチャイズの2つ目の共通点は、市場調査が不足していること。
フランチャイズ本部の中には、市場調査が不足した状態でも募集をかけるところがあります。
市場調査の重要性は、ビジネス戦略を立てる上で欠かせません。
適切な市場調査が行われない場合、加盟店は市場の実態やニーズを把握しきれず、誤った方向に進むリスクが高まります。
また、市場調査が不足していると、競合との差別化点や独自の価値を見出すのが困難となることも。
市場調査の充実というのは、表面上なかなか見えにくい部分。
そのため、フランチャイズ本部とのやり取りの中で、少しでも違和感を感じた場合は加盟を控えた方が良いでしょう。
初期費用とロイヤリティが高額
儲からないフランチャイズの最後の共通点は、初期費用とロイヤリティが高額なフランチャイズです。
初期費用が高額になればなる分、最初から資金繰りが厳しくなります。
資金繰りが厳しい状態でビジネスを運営させると、損益分岐点が高くなり、その間に資金が底をつくこともあるでしょう。
同様に、ロイヤリティが高額になると、実質的な利益が少なくなります。
さらに、毎月金額が固定のロイヤリティとなる場合、収益が少ない時点では大きな負担となります。
結果的に、儲からない状態が続く可能性が高いでしょう。
ここまでは、儲からないフランチャイズの共通点を解説しました。
次からは、失敗しないフランチャイズの選び方について見ていきます。
失敗しないフランチャイズの選び方
フランチャイズ選びで失敗しないためには、以下のポイントを考慮して選びましょう。
- 将来性を考えて選ぶ
- ロイヤリティや加盟金などの金額を把握する
- サポート内容をしっかり確認する
フランチャイズの選び方を詳しく知りたい方は、「後悔しない!フランチャイズの選び方と契約・開業までの7STEP」で詳しく解説しています。
フランチャイズの成功率を上げるポイント
フランチャイズを成功させるポイントは以下の4つ。
- 本部のノウハウを最大限活用する
- フランチャイズ本部と良好な関係を築く
- 経営者の視点で物事をみる
- 顧客ファーストで考える
本部のノウハウを最大限活用する
フランチャイズのノウハウを最大限活用することで、成功確率を大きく高められます。
フランチャイズで提供されるノウハウは、フランチャイズ本部が長年の経験や実績を元に作られたもの。
言い換えれば、ビジネスの成功モデルです。
フランチャイズに加盟する意味は、このノウハウを得ることと言っても過言ではありません。
そのため、フランチャイズ本部から提供されたノウハウは徹底的に実行しましょう。
フランチャイズ本部と良好な関係を築く
フランチャイズ本部との良好な関係性は、フランチャイズビジネスを成功させる大きな要素。
なぜなら、フランチャイズ本部と良好な関係が築けていれば、以下のようなアドバンテージが得られるためです。
- より専門的なアドバイスが得やすくなる
- 課題に直面しても的確な指示をもらえる
- 優先的に新しいプロモーションに参加できる可能性がある など
たとえば、全く関係性が築けていない加盟店と、頻繁にやりとりする加盟店では、得られる情報も大きく変わるでしょう。
フランチャイズに加盟して終わりではなく、本部の担当者と積極的にコミュニケーションをとることで、成功率は大きく上がります。
経営者の視点で物事をみる
フランチャイズからノウハウが提供されても、経営者の視点でサービスを考えられなければ、成功は見えてきません。
なぜなら経営者視点があれば、活動量や活動スピードが向上し、生産性の高い事業運営が可能になるためです。
経営者の視点とは、「視点」「視野」「視座」に分解でき、具体的には以下のような情報を多角的に見る必要があります。
- 視点・・・財務状況や市場状況、ビジネスの仕組み、動向など
- 視野・・・見ている範囲の広さや遠さ(物事の全体像を俯瞰して見る)
- 視座・・・どこから物事を見ているか(さまざまな側面から物事をとらえる)
上記3つのような要素を総合したものが、「経営者視点で物事をみる」と考えられます。
経営者視点で、どうすれば収益を伸ばせるか考えられれば、成功率は格段に上がるでしょう。
顧客ファーストで考える
フランチャイズに限った話ではありませんが、顧客ファーストで考えることはフランチャイズの成功率を高めます。
なぜなら、顧客ファーストで考えることで、以下のような利点があるためです。
- 顧客満足度が高まりリピートにつながる
- 良い口コミ・評判が広まる
- ブランド価値が高まる
- 市場の変化や新しい需要に対応できる
上記の利点は、フランチャイズビジネスを成功に導くために欠かせない要素です。
よくある質問
ここでは、フランチャイズに関するよくある質問をまとめました。
ぜひご活用ください。
フランチャイズとは何ですか?
フランチャイズとは、ビジネスモデルの一。
既に成功している企業(フランチャイザー)がその運営ノウハウやブランド名を他の事業者(フランチャイジー)に提供する契約です。
フランチャイジーは初期費用やロイヤリティを支払い、フランチャイザーからのサポートを受けながらビジネスを展開します。
フランチャイズオーナーは儲からないのですか?
フランチャイズオーナーが儲からないということはありません。
フランチャイズオーナーの平均年収は400万円ほどですが、当然ながらそれ以上の収入がある人も存在します。
反対に、赤字続きで廃業したり、借金だけが残ったりという人もいます。
大切なのは、経営者としての自覚を持って事業を運営していくことでしょう。
フランチャイズに加盟したからといって、本部がなんでもやってくれるということはないので、アドバイスや経営ノウハウを最大限活用していくことが、事業を成功させる秘訣です。
これから伸びるフランチャイズは何ですか?
一般的に、以下のような分野はこれから伸びやすいと言えるでしょう。
- ヘルスケア・フィットネス・ダイエット
- IT系フランチャイズ
- ペット関連
- 教育関連(プログラミング教室やオンライン教育など)
- 高齢者関連
2023年に人気のあるフランチャイズを知りたい方は、「【2023年最新】フランチャイズのおすすめ7選!稼げるジャンルを選ぶポイントも解説」もあわせてご覧ください。
フランチャイズのロイヤリティの相場はいくらですか?
以下に分野ごとのロイヤリティ相場を記載します。
- 飲食店・・・3〜10%(やや低め)
- コンビニエンスストア・・・30〜60%(高め)
- 学習塾・・・10〜30%(高め)
- リラクゼーション・マッサージ・・・3〜10%(普通)
- 不動産業・・・約10〜25万円/月
フランチャイズで自分が働かないのは可能ですか?
フランチャイズで自分自身が直接働かない、いわゆる「アブセンティーオーナー」も存在します。
マネジメントや運営を誰かに任せられれば可能かもしれませんが、リスクやコストの増加は考慮すべき要素でしょう。
ちなみに、フランチャイズの種類や契約内容によっては、オーナーが店舗に常駐することを求められる場合もあります。
まとめ
フランチャイズが儲からないかどうかは、フランチャイズの種類や契約形態、コスト面などによって大きく左右されます。
また、オーナー自身のスキルや経験、ビジネスへの向き合い方による部分も大きいでしょう。
その上で、儲からないフランチャイズの共通点は以下の通り。
- サポートやトレーニング体系が不十分
- 市場調査が不足している
- 高額な初期費用とロイヤリティ
フランチャイズを選ぶ際は、上記に当てはまらないか、フランチャイズ本部は信頼できるか、などを考えて選ぶようにしましょう。