小学校の授業に導入されて需要が高まるプログラミング教室。
プログラミング教室を開業するにあたっては、どのような形態で開業するのか・授業の形式や指導人数はどうするのかなど、方向性をしっかりと決めておくことが重要です。
この記事では、プログラミング教室の形態や授業形式、開業に必要な資格や開業までの流れなどを詳しく解説します。
開業に向けて必要な知識を身につけておきましょう。
目次
プログラミング教室の市場規模と将来性
プログラミング教室の開業にあたり、現状の市場規模や将来性に関心がある方も多いはず。
コエテコ byGMOが府内総合研究所と共同で実施した「2024年プログラミング教育市場規模調査」によると、2024年の市場規模や前年比114.5%の253億円8千円とのこと。
さらに、上記グラフからもわかるように、2030年までに子ども向けプログラミングの教育市場は、1,000億円を超える市場へ急成長する可能性があるとの見解を打ち出していました。
もちろん、どういった根拠かどうかは定かではありませんが、小中高のプログラミング授業が必修となる背景を考えると、大いにその可能性はあるでしょう。
つまり、プログラミング教室の将来性はある程度明るい兆しが見えていると言えます。
プログラミング教室の開業形態2種のメリット・デメリット
プログラミング教室の開業には、次の2種類の形態があります。
- 個人経営
- フランチャイズ加盟
個人経営はさまざまなことを自由に決められる一方で、すべてのことを自分で進めなければならないことが大変なポイント。
対してフランチャイズ加盟では教材やカリキュラムを準備してもらえますが、加盟料がかかることがデメリットかもしれません。
個人経営 | フランチャイズ | |
---|---|---|
教材 | 自分で準備する | 本部から提供あり |
カリキュラム | 自分で決定する | 本部が決定する |
開業準備のサポート | なし | 本部からのサポートあり |
初期費用 | 比較的抑えられる | 加盟金などがかかる |
開業後のコスト | 比較的抑えられる | ロイヤリティがかかる |
個人経営とフランチャイズ加盟、それぞれのメリット・デメリットを詳しく見ていきましょう。
個人経営
個人経営ではプログラミング教材やカリキュラムを自身で準備するため、使う教材の種類やレベル感などを自由に組み立てることが可能です。
自分が講師となって教室を開けば人件費もかからず、規模も大きすぎないため開業後のコストも抑えられる傾向にあります。
一方でゼロから経営の準備をしなければならないことや、プログラミング教室の運営と並行して集客もしなければならないため、多くのことに意識を向ける必要がある点がネック。
特に初めての経営の場合には営業活動に集中し切れないことで、やりにくさを感じたり、思うように売上に繋げられなかったりするかもしれません。
フランチャイズ加盟
フランチャイズ加盟によるプログラミング教室の開業では、本部からのサポートを受けながら事業を進めていけることがメリット。
教材やカリキュラムの提供や集客のサポート、開業時に各種システムの導入ができるといったサポートが期待できます。
ただし、教材の使い方やカリキュラムの進め方が決められていることが多く、完全に自由な授業は難しいかもしれません。
またフランチャイズ加盟では加盟金や開業後のロイヤリティ(手数料)の支払いが必要になるため、個人経営と比べるとコストは割高になる傾向です。
プログラミング教室の授業形式と指導人数
開業形態が2種類あるように授業形式も次の2種類あります。
- 対面形式
- オンライン形式
対面形式・オンライン形式それぞれに「個別指導」と「集団指導」があり、教室の規模や生徒数などによって選ぶのがおすすめです。
まずは対面形式とオンライン形式の違いについて紹介した後、個別指導と集団指導の違いを解説します。
対面形式
プログラミング教室の生徒の中には、長時間パソコンに向かうことが難しいお子さんも少なくありません。
その点を踏まえると、実際の教室で授業を行う対面形式では、生徒たちと実際に会話をしながら進められることが魅力です。
対面式では、生徒の反応を見ながら進め方やペースを変えることができるため、お子さんの状況に合わせて柔軟な対応が可能。
また、面と向かって教えてもらえる対面式は安心感があり、保護者から選ばれやすいと言えるでしょう。
教室を開くには物件が必要になるため、マンションやビルの一室を使ったり、自宅の一部を教室に改装したりして生徒数によって選びましょう。
オンライン形式に比べると、物件費用や内装費用などの開業資金が高くなる傾向です。
オンライン形式
オンライン形式のプログラミング教室は、店舗を借りる必要がないことや、集客や時間、感染症などの影響を受けずに済むことがメリット。
パソコンがあれば場所や時間を問わずにレッスンできるため、コロナウイルスのような感染症が流行しても生徒数に影響を受けにくいです。
また物件費用などの初期費用も抑えられます。
一方で対面形式と違って画面上の生徒を相手にするため、進め方が少し難しい場合もあるでしょう。
生徒がつまずいているポイントをうまく説明できなかったり、こちらが伝えたいことがうまく伝わらなかったりと、コミュニケーションに工夫が必要な場面があるかもしれません。
プログラミング教室における個別指導と集団指導の違い
続いて、個別指導と集団指導の違いについて見ていきましょう。
まず、個別指導は生徒一人ひとりに合わせて授業を進められるスタイル。
授業1回あたりの収入は生徒1人分になりますが、それぞれの学習ペースに合わせて授業を進められるため、信頼関係を築けることが個別指導の良いところです。
集団指導は一度に複数人の生徒を相手に授業を行います。
一度に複数人の対応をする集団指導は、得られる収入が個別指導よりも高くなるでしょう。
ただしクラス全体で授業レベルを統一することになるため、レベルが追いついていない生徒へのサポートが薄くなりやすい傾向です。
プログラミング教室の開業に必要な資格
プログラミング教室の開業には、取得しなければならない資格はありません。
しかし有資格者の在籍するプログラミング教室は、集客の際に有利になる傾向があります。
理由は、どのくらい実力のある講師かわからない教室よりも、資格を持っている講師がいる教室のほうが安心できるためです。
プログラミング教室開業のために取得するのなら、プログラミング能力検定協会の「プログラミング能力検定(プロ検)」が良いでしょう。
プロ検では「ビジュアルプログラミング言語」を使って基礎力を判断します。
レベル1からレベル6に分かれているため、自分の学習状況によって受験級を選択可能。
ビジュアル言語をメインに受験するのであればレベル4まで取得できるため、挑戦してみてもよいでしょう。
プロ検で使う「ビジュアルプログラミング言語」とは
(画像:プログラミング能力検定協会|プロ検とは?)
ビジュアルプログラミング言語とは、視覚的にわかりやすいプログラミング方法のこと。
「〇〇をクリックしたとき」や「手を振る」、「〇〇を回転する」といったボタンを組み合わせて動作を設定する方法です。
子どものプログラミング教室におけるプログラミングとは、“プログラミング”と聞いて思い浮かべるような英語をパソコンに打ち込んでいくものとは異なります。
ブロックやパズルなどを組み合わせてゲームを作ったり、専用のパソコンソフトを利用したりしてプログラミングの基本を学んでいくのが一般的。
ビジュアルプログラミングは、子どもを対象にしたプログラミング教室で特に役立つ知識です。
プログラミング教室を開業するまでの流れ
プログラミング教室を開業するには、次のようなステップで進めていきます。
- 教室の形態や形式、ターゲットを決める
- 物件の契約や内装を検討する
- 教材の選定・備品の準備をする
- ダイレクトメールやチラシ配布で周知する
- うまく機能するか実際の授業内容を試してみる
- すべての準備が整ったら開校
ポイントはプログラミング教室の方向性をしっかりと決めること。
- 大人相手なのか・子ども相手なのか
- 対面形式か・オンライン形式か
- 個人授業中心か・集団指導中心か
- 自宅で開業するのか・教室を借りるのか
- 月謝・受講料はいくらに設定するのか
このようなプログラミング教室の基本となる内容をしっかりと固めておきましょう。
方向性が定まっていないと、ターゲット層に合わない価格設定や指導形式を選んでしまう可能性が考えられるためです。
続いてプログラミング教室の開業に必要になるものを紹介します。
プログラミング教室の開業で必要な備品
プログラミング教室の開業には、以下のようなものが必要になります。
- 店舗
- 机や椅子・棚などの什器備品
- 文房具などの学習備品
- 衛生用品
- パソコン
- 通信環境
- 教材
- カリキュラム
対面形式の教室にする場合には生徒の分のパソコンが必要になるため、オンライン形式よりも備品購入費用が高くなる可能性があります。
対してオンライン形式で授業をする場合、通信環境が安定しているWi-Fiの用意が必須。
動きが遅い環境では授業にならないトラブルが考えられるためです。
備品ももちろん大切ですが、通信環境の良さを意識した準備が必要でしょう。
プログラミング教室に適した物件の選び方
物件を借りてプログラミング教室を開校する場合、次の3点を必ずチェックしておきましょう。
- 電源の位置と個数が足りるか
- 通信環境が整っているか
- 通いやすい立地にあるか
パソコンを使った授業が中心になることが多いため、パソコンの台数分の電源が必要です。
また、通学の利便性が良いかどうかも見ておくと集客の際に役立ちます。
電源の位置と個数が足りるか
プログラミング教室では生徒一人ひとりがパソコンを使用するため、電源の位置と個数が大切なポイントです。
仮に電源の個数が多くても位置が悪ければ、すべてのパソコンを繋げるために苦労する可能性があります。
すべてのパソコンを問題なく接続できる位置・個数の電源があるかどうか、物件の内見をする際に必ずチェックしましょう。
通信環境が整っているか
個別指導であれ、集団指導であれ、通信環境が整っていないと授業がスムーズに進まない恐れがあります。
パソコンで通信を使用して授業を行うプログラミング教室では、通信環境が整っていない状況は絶対に下げるべきこと。
電波が入りにくい物件を避けるのはもちろん、時間帯によって繋がりにくいことがない・通信環境が安定している物件を選ぶことが大切です。
通いやすい立地にあるか
物件を借りる場合は立地も意識して選びましょう。
- 近隣に同じようなプログラミング教室がないか
- 最寄りの駅から通いやすい場所にあるか
- 子どもが通うのに危険な場所がないか
なお、よく気にされることがある、近隣に学習塾がある場所での開業は問題ありません。
近隣に学習塾がある場所では子どもに学習させたい意欲のある保護者も多く、プログラミング教室に興味を持っていることも考えられます。
通う学習塾のそばにある教室であれば通学面で安心できるため、実際に通わせることを検討してもらえる可能性もあるでしょう。
プログラミング教室を開業する近くに塾があることは、デメリットにはなりにくいはずです。
プログラミング教室の開業費用と補助金
ここではプログラミングの開業費用と補助金についてみていきましょう。
開業費用は100〜1,000万円
プログラミング教室の開業費用は100〜1,000万円前後の開きがあります。
たとえばテナントを借りたり、フランチャイズで始めたりする場合は700〜1,000万円前後かかると想定したほうが良さそうです。
反対に、自宅で小さく始める場合や、オンラインスクールでの開業となる場合、100万円前後の開業資金で始めることも可能でしょう。
プログラミング教室の開業で活用できる補助金
プログラミング教室の開業に向けて、補助金を活用しようと考えている方も多いでしょう。
プログラミング教室の開業で活用できる補助金は以下の通り。
- 小規模事業者持続化補助金
- IT導入補助金
気になる方はぜひチェックしてくださいね。
プログラミング教室の集客方法
プログラミング教室を開業する際の集客は、次の2つの方法がおすすめです。
- チラシの配布やポスティング
- ホームページ
飲食店などと違い、プログラミング教室は遠方からわざわざ足を運ぶというよりは、自宅から通える範囲で検討することが多いでしょう。
対面形式での教室の場合には近隣住民がターゲットになるため、チラシの配布やポスティングが有効です。
また、インターネットで検索してプログラミング教室を探す人もいることから、ホームページも作っておくと集客に繋がる可能性があります。
特にオンライン形式の教室であればホームページでの集客が必須です。
距離の遠さに関係なく生徒を集められるため、ホームページを通して教室の魅力を伝えられるようにしましょう。
プログラミング教室の開業におすすめのフランチャイズ
プログラミング教室を開業するのなら、フランチャイズに加盟して進めるのが成功への近道。
フランチャイズでは本部からのサポートが多く、経営初心者でも比較的安心して教室の運営ができるでしょう。
加盟金やロイヤリティなどのコストは必要ですが、それ以上に魅力がある開業方法です。
フランチャイズ加盟のメリットは「ゼロから開業!フランチャイズのメリットと覚えておきたいデメリット」にて解説しています。
ここでは、プログラミング教室の開業におすすめのフランチャイズ本部を3つ紹介します。
- プロスタキッズ
- ROBBO CLUB
- YeePa!(イーパ)
フランチャイズ本部を選ぶ際の参考にしてください。
ヒューマンアカデミー ロボット教室
ロボットプログラミング教育の需要が高まる中、ヒューマンアカデミーロボット教室のフランチャイズが注目を集めています。20年以上の実績を持つこの教室は、以下の特徴を備えています。
- 論理的思考力や創造性を育むカリキュラム
- 安定した収益モデルとブランド力の活用
- 充実した研修制度と継続的な運営サポート
- 教育経験がなくても開業可能
- 地域社会への貢献と事業成長の両立
- 教育熱心な親御さんからの高い支持
このフランチャイズは、急速に変化する教育ニーズに対応し、子どもたちの未来に必要なスキル開発を支援します。
同時に、オーナーには安定したビジネスモデルと充実したサポート体制を提供し、教育事業を通じた自己実現の機会を創出します。
興味をお持ちの方は、ぜひ資料請求をしてみてくださいね。
ROBBO CLUB
ロッボジャパン株式会社の運営する「ROBBO CLUB」は、英語でプログラミングを学びつつ、ロボット製作も学べる教室。
英語とプログラミングを学べる教室は多少ありますが、ロボット製作を一緒に学べる教室は少ないことから「複数のスキルがセットで学べる」と保護者に選ばれやすい傾向です。
質の高いフィンランド発の教育プログラムを採用しており、英語・プログラミング・ロボット製作と需要の高まりが予想されるビジネスでもあります。
ROBBO CLUBは初年度で年商1,300万円以上を目指せる、高収益で投資回収の早いフランチャイズ。
サポートも充実しており、講師へのトレーニングや講師の採用サポートだけでなく、販促データの提供や集客サポートまで受けられます。
開業後も相談サポートがあるため、実際に教室を開いた後に不安なことが起こっても気軽に相談できる環境です。
CodeCampKIDS
未来を担う子どもたちのプログラミング教育に携わりながら、成長市場で着実に事業を展開できるチャンス。それがCodeCampKIDSのフランチャイズです。
- 映像教材を活用し、プログラミング未経験者でも開業可能
- 小学1年生から中学3年生まで幅広い年齢層に対応
- ロボット、Scratch、Unityなど多彩なコースを提供
- 充実した指導要項や研修制度で徹底サポート
- 受講生管理システムで効率的な教室運営をサポート
2030年には現在の約5倍の1,000億円規模に成長が予想されるプログラミング教育市場。CodeCampKIDSは、子どもたちの創造性を最大化し、デジタル社会を生き抜く力を育みます。
東証プライム市場上場企業グループの安定性と、プログラミング教育のパイオニアとしてのノウハウを活かしたビジネスモデル。新規事業をお考えの企業様や、教育に携わりたい個人の方にも最適です。
まずは資料請求から。あなたの可能性を広げる第一歩を踏み出しませんか?
よくある質問
ここでは、プログラミング教室の開業に関するよくある質問をまとめました。
プログラミング教室は儲からない?
プログラミング教室が儲からないと言われる理由は、大きく分けて次の2つが関係しています。
- 市場の競争激化
- 高い運営コスト
2020年の時点で、国内のプログラミング教室は15%の増加を果たし、競争は激化。
その背景には、小学校の教育カリキュラムにプログラミングが組み込まれたことが、要因の1つとしてあげられます。
競合が激化すると顧客獲得単価も上がるため、最終的には店舗の利益率低下につながってしまいます。
これが、プログラミング教室が儲からないと言われるようになった原因でしょう。
とはいえ、成功しているプログラミング教室も多くあります。その要因としては、以下のような項目が考えられるでしょう。
- SNSをウェブを活用したマーケティング戦略をとっている
- オンライン教育を導入している
- ゲーム開発やAI、ロボティクスに特化したカリキュラムを提供
上記のような差別化を図ることも、激化するプログラミング市場での成功の要因となります。ぜひ参考にしてみてください。
プログラミング教室の売り上げはどのくらい?
前提として、プログラミング教室の売り上げ平均は、教室の規模、対象とする生徒層、提供するコースの内容、授業料設定、地域の需要などによって大きく異なります。
その上で、一般的な平均売り上げは以下の通りです。
- 小規模な教室・・・50〜100万円程度
- 中規模な教室・・・100〜300万円程度
- 大規模なスクール(複数拠点やオンライン展開)・・・300〜1,000万円以上
まとめ
プログラミング教室の開業前には、形態や授業形式など決めておくべきことが多くあります。
フランチャイズ加盟での開業であれば準備段階からサポートが受けることが可能。
スムーズに開業に繋がるためおすすめの開業方法です。
また、開業後も経営アドバイスをもらえたり、開業当初から便利なシステムを導入できたりといったサポートが受けられるメリットがあります。
初めての経営であったり、開業初期の資金が少ない時期に助かったりするでしょう。
プログラミング教室の開業を検討中の方は、フランチャイズ加盟も選択肢に入れることをおすすめします。
複数のフランチャイズ本部から資料請求をして比較してみてくださいね。