キッチンカーのフランチャイズ開業には以下のような多額の費用がかかります。
- フランチャイズ加盟金(50万円~200万円程度)
- 車両費用(新車で300万円~700万円、中古車の場合は状況による)
- 内装工事費用(100万円~300万円程度)
- キッチン設備費用(内装工事費と合わせて100万円~300万円程度)
- 外装工事費用(50万円~100万円程度)
- 開業後の人件費(スタッフ数と給与水準による)
- 開業後の原材料費(売上の何割かを占める)
- 開業後のロイヤリティ(月商の5%前後が相場)
- 開業後の車両維持費(走行距離による)
開業費用を抑えるには、中古車の活用や低予算フランチャイズの選択、リース契約の利用などを検討しても良いでしょう。
さらに国や自治体の助成金・補助金制度を活用すれば、資金的な負担をかなり軽減できる可能性があります。
本記事では、キッチンカーフランチャイズ開業にかかる上記の費用ついて具体的に解説します。
また、コストを抑える方法についても触れているので、ぜひ参考にしてください。
目次
キッチンカーのフランチャイズ開業に必要な初期費用
キッチンカーのフランチャイズ開業にかかる初期費用は以下の通り。
- フランチャイズ加盟金・・・50〜200万円
- 車両費用(新車、中古車、リースなど)・・・300〜700万円
- 内装工事費・キッチン設備費・・・100〜300万円
- 外装工事費・・・50〜100万円
1つずつみていきましょう。
フランチャイズ加盟金
フランチャイズ事業を始める上で欠かせないのがフランチャイズ加盟金です。
この加盟金とはフランチャイズチェーンの名前や経営ノウハウ、販売システムなどを使用する権利の対価として支払う費用を指します。
一般的に50万円から200万円程度が相場となっており、フランチャイズ本部の知名度や実績によって金額は変動します。
加盟金を支払うことで、オープン前から経営に役立つマニュアルの提供を受けられるだけでなく、売上への期待値も高まるといった効果が期待できるでしょう。
車両費用(新車、中古車、リースなど)
キッチンカーの中核をなす車両費用は、大きな初期投資が必要不可欠。新車を選択した場合、おおむね300万円から700万円程度を見積もる必要があります。
一方で中古車を選べば初期費用は抑えられますが、車両の状態次第では修理費用などのトラブルにも巻き込まれかねません。
そうしたリスクを回避するには、月々の支払いで済むリース契約を結ぶのも一つの選択肢です。いずれの道を選んでも、移動販売に適した十分な設備スペースを確保することが何より重要となります。
内装工事費・キッチン設備費
移動キッチンとして機能させるための内装工事費とキッチン設備費は、おおよそ100万円から300万円程度を見積もる必要があります。
限られた車内スペースを効率的に活用し、作業スペース、キッチンスペースを確保するのが肝心です。
フードトラックの場合はグリルや揚げ物器具、移動パン屋なら小型オーブンや製造設備などが必須となります。
車両のサイズと用途に合わせて、設備機器の選定と配置を的確に行うことで、無駄のない最適な内装を実現できます。
外装工事費
外装デザインこそが、キッチンカーの顔ともいえる重要な要素の一つです。フランチャイズチェーン全体で統一されたロゴマークやカラーリングに合わせる必要があり、それなりの工事費用が発生します。
概算で50万円から100万円は覚悟しておく必要があるでしょう。塗装工事に加え、照明やディスプレイ、テントなど付帯設備の費用も加わることから、予算に余裕を持たせておくと安心です。
外装装飾によって華やかさを演出し、視認性を高めることで集客力のアップにもつながります。
キッチンカーのフランチャイズ開業でコストを抑える方法
ここでは、キッチンカーのフランチャイズでコストを抑える方法を紹介します。
中古車両を活用する
フランチャイズ開業の際の大きな初期費用は車両費用です。新車を購入すれば300万円から700万円程度と高額になりますが、中古車両を活用すれば費用を大幅に抑えることができます。
中古車情報サイトなどで好条件の中古車両を探し、しっかりと点検・整備を行えば、安全面にも問題はありません。
キッチンカー業界で使われている車種に特化して中古車を探せば、より安くリーズナブルな価格で購入できる可能性が高まります。
低予算フランチャイズを選ぶ
フランチャイズによっては加盟金が高額な場合もありますが、低予算で参入できるフランチャイズも存在します。
加盟金が安くて済む代わりに、教育研修などのサポート体制が手薄になる可能性もありますが、コストを最小限に抑えて事業をスタートさせたい場合は低予算フランチャイズを選ぶのも一つの方法です。
参入障壁が低いため競争は激しくなりますが、しっかりと事業計画を立て、経営努力を重ねれば十分に事業は成り立つでしょう。
車両のリース契約を活用する
キッチンカーの車両は多額の費用が必要となりますが、リースという形態を活用すれば、初期費用を大幅に抑えられるでしょう。
リース契約では月々の支払いで済むため、フランチャイズ開業当初の資金負担を最小限に抑えられます。ただし、長期的には購入した場合よりもコストが高くなる可能性があり、中古査定時の価値もほとんどありません。
開業時の資金が潤沢にあれば購入でも良いですが、資金繰りに不安がある場合はリースを検討するのも賢明な選択肢となります。
キッチンカーの開業に使える補助金・助成金
キッチンカーの開業に利用できる補助金・助成金は以下の通り。
- ものづくり補助金
- 創業支援等事業者補助金
- 地域雇用開発助成金
- 小規模事象者持続化補助金
- 事業再構築補助金
上記の補助金について詳しく知りたい方は、以下の記事もチェックしてみてください。
フランチャイズのキッチンカー開業後にかかる必要経費
ここでは、フランチャイズでキッチンカーを開業した後にかかる必要経費についてみていきましょう。
人件費
キッチンカーの運営では、場合によっては調理スタッフや販売スタッフなど、複数の人員を雇う必要があります。
人件費は開業後の主要な固定費となり、スタッフの人数や給与水準によって金額は大きく変わってきますから、できるだけ人件費を抑えたい場合はアルバイトやパートを活用しましょう。
しかし、調理や接客の質を保つ上では、一定の給与水準と研修体制を整えた常勤スタッフの配置も検討すべきでしょう。
人材の確保と育成は事業の根幹に関わるため、計画的な人件費の管理が欠かせません。
原材料費
キッチンカーの醍醐味は移動しながら新鮮な料理を提供することです。そのためには常に高品質な食材を確保し続ける必要があり、運営資金の中で原材料費が大きなウェイトを占めることになります。
食材の発注サイクルや保存方法を工夫することで、無駄なロスを防ぐ対策も重要です。
さらに食材の仕入れ先や価格交渉によっても、コスト削減の余地があります。お客様に喜んでいただくための良質な原材料を調達し続けることが、キッチンカーの根幹をなす課題といえるでしょう。
ロイヤリティ
フランチャイズ参入の場合は、売上の一定割合をロイヤリティとしてフランチャイズ本部に支払う必要があります。
これは本部によるブランド価値や経営ノウハウの提供、研修などの対価となります。一般的なロイヤリティの支払い率は月商の5%前後が相場ですが、本部によって異なります。
開業当初は売上がイマイチな場合が多く、ロイヤリティ負担が重くのしかかるリスクもあります。フランチャイズのメリットを最大限に生かし、早期に収益を確保することがカギとなるでしょう。
車両維持費
キッチンカーの移動販売では、車検費用や修理費、燃料費など、車両の維持管理にかかる経費が欠かせません。
特に走行距離が長ければ長いほどメンテナンス経費は増大しますが、車両トラブルで休業に追い込まれることのないよう、定期的な点検整備は必須です。
整備費用を節約したい場合は、営業エリアを絞って走行距離を抑えることも考えられます。とはいえ、収益面との兼ね合いを見極めることが大切です。
そのため、経費とサービス範囲のバランスを模索し続けることが肝心と言えるでしょう。
まとめ
キッチンカーのフランチャイズ開業には多額の費用がかかりますが、コストを抑えて開業する方法はいくつもあります。
初期費用としてはフランチャイズ加盟金、車両費用、内外装工事費用、設備費用など、総額で100万円以上は覚悟しなければなりません。さらに開業後も人件費、原材料費、ロイヤリティ、車両維持費などの運営費用が常に発生します。
しかし、中古車両の活用や低予算フランチャイズの選択、リース契約の利用などで初期コストを下げられます。加えて、国や自治体の助成金や補助金を得ることで、開業の資金的な負担を大幅に軽減できます。
本記事では、キッチンカーフランチャイズ開業に本当にかかる費用とその内訳を明確にし、様々なコスト削減の方法を具体的に解説しました。夢のキッチンカー経営を、現実的な予算で実現するための道筋が見えてくるでしょう。