フランチャイズを検討する際、開業資金がネックになる人は多いのではないでしょうか。
もしフランチャイズに加盟するなら、なるべくリスクを最小限に抑えて始めたいですよね。
ぜひ記事を参考にして、自身の費用感や自己資金の額を照らし合わせてみてくださいね。
目次
経験者に聞いた!フランチャイズの開業資金
マイナビがフランチャイズオーナー経験者97名にとったアンケートによると、フランチャイズに加盟した人の約80%は、1,000万円未満の資金で開業しているようです。
みなさんの予想に対して、結果はいかがでしたでしょうか。上記の結果はあくまで、開業資金のみにスポットを当てています。
実際はのところは、軌道に乗るまでのランニングコストが別にかかってくるため、ある程度の金額を用意するに越したことはないでしょう。
フランチャイズを検討中の人が用意していた資金額
フランチャイズの開業で必要な資金を紹介しましたが、ここからはフランチャイズを検討中の人が実際に用意していた資金額を見ていきましょう。
こちらもマイナビがフランチャイズオーナー経験者97名にとったアンケートによると、自己資金額は以下のような結果となっています。
1円〜300万円未満で開業している割合も、全体の40%ほどありますね。多くの方が、開業資金を自己資金メインではなく、融資などの資金調達に頼っているのがわかります。
また、開業費用をなるべく抑えられるフランチャイズ本部も多くあるため、自己資金を抑えて開業することも可能です。
フランチャイズの開業資金の調達方法
開業資金の調達には次のような方法があります。
状況や申請期限などに応じて使えそうな方法を活用しましょう。
日本政策金融公庫からの融資
「日本政策金融公庫」は国が100%出資している機関で、銀行で融資を受けられない中小企業や個人事業主の開業資金調達をサポートしてくれます。
日本政策金融公庫でよく使われるのが、次の2種類の融資制度。
- 新創業融資制度
- 新規開業資金
新創業融資制度
「新創業融資制度」は、新たに事業を始める人や事業開始間もない人が利用できる融資制度です。
無担保かつ無保証人で利用でき、最大3,000万円の融資を受けることができます。
融資を受けるためには開業資金の総額の10分の1の自己資金が必要になるため、自己資本金額が条件を満たしているかどうか確認が必要です。
新規開業資金
「新規開業資金」は、新たに事業を始める人や開業7年以内の人が対象の融資制度で、最大7,200万円の融資が受けられます。
日本政策金融公庫のメリットは、銀行よりも融資が受けやすい点が大きいでしょう。
開業資金をサポートすることに特化しているため、年利が1~2%台と低金利なところも魅力。
一方で、開業資金総額の10分の1の自己資金が必要という条件がネックです。
自己資金がまったくない状態では借りられないため注意しましょう。
銀行からの融資
フランチャイズの開業資金調達には、大手のメガバンクや地方銀行などから融資を受ける方法も選択肢の1つ。
銀行からの融資では2種類の方法が利用されることが多いです。
- 信用保証付き融資
- プロパー融資
信用保証付き融資
「信用保証付き融資」とは、信用保証協会が保証人になることで融資を受ける方法です。
万が一に返済が滞った場合は、信用保証協会が金融機関に返済する仕組みになっています。
そのため銀行のリスクが低く、審査に通りやすくなっています。
ただし信用保証付き融資を利用する場合には、信用保証協会への保証料が毎年必要になることを押さえておきましょう。
プロパー融資
「プロパー融資」は信用保証協会が保証人にならない融資の方法で、信用保証付き融資より審査基準が厳しい特徴があります。
銀行から融資を受けるメリットは、プロパー融資であれば借りる金額に条件がないこと。
対して、銀行からの融資を受けるデメリットは、貸倒れを防ぐために審査が厳しいことです。
金融公庫に比べると審査条件が厳しい傾向にあるため、個人で借りるのは難しいかもしれません。
ただし、フランチャイズ本部での開業の場合は本部の信頼を使えるため、個人よりは審査が通りやすいでしょう。
補助金や助成金の活用
フランチャイズでの開業資金を調達するには、補助金や助成金を活用する方法もあります。
さまざまな補助金や助成金がありますが、募集枠が埋まったり、設定された予算を超えたりすると募集が打ち切られることもあるため、利用したい補助金があれば早めに動きましょう。
補助金や助成金を利用するメリットは、基本的に返済が不要であることが大きいです。
融資の場合は後々返済する必要がありますが、補助金や助成金は返済を気にせずに利用できるため精神的な負担も軽く済むでしょう。
デメリットは、補助金や助成金を受け取れるタイミングが、費用を使った後(事後)になることです。
先に出せる資金がないと、そもそも補助金を受け取るための活動ができません。
補助金は、ある程度事業が進んでからの申請すると良いでしょう。
フランチャイズで開業資金を抑える方法
フランチャイズの開業資金が高額になる大きな理由は、物件費用にあります。
そのため、開業資金を抑えたい場合には、物件費用を抑えられるように次のような工夫をすると良いでしょう。
- 事業用物件を自分で用意する
- 無店舗型の業種を選ぶ
- 居抜き物件を活用する
一つずつ順番に紹介していきます。
事業用物件を自分で用意する
物件費用を抑える1つ目の方法は、事業用物件を自分で用意することです。
フランチャイズ本部からの物件を使うと、どうしても手数料が加算されたり、必要以上に広い物件を紹介されたりしてしまいがちになります。
自分で物件を見つけることにより、ちょうど良い広さの物件を納得のいく価格で調達できるはずです。
無店舗型の業種を選ぶ
無店舗型の業種を選ぶことも、フランチャイズでの開業資金を抑えることに繋がります。
たとえばキッチンカー・移動販売店のような形態であれば、用意するのは移動販売車のため店舗を構える形態よりは開業費用が抑えられるでしょう。
居抜き物件を活用する
居抜き物件を活用するのも物件費用を抑えるのに有効です。
居抜き物件とは退去した前の使用者が使っていた状態のままになった物件のことを指します。
たとえば飲食店の場合は、キッチンなどの水回りをそのまま活かすようにすれば、内装工事費用が浮かせられるため物件費用も抑えられるはずです。
開業資金が抑えられるフランチャイズ本部
ここまで開業資金の調達方法や、開業資金を抑える方法を解説しました。
最後に開業資金が抑えられるフランチャイズ本部を3つご紹介します。
自分のやりたいジャンルや形態があれば、ぜひこの場で資料請求をしてみてくださいね。
かさねや
株式会社SBICの運営するとんかつデリバリー「かさねや」は、全国に190店舗を展開。
加盟金や研修費用がないため0円で開業できるだけでなく、店舗や厨房、バイクなどを本部が提供してくれる点も大きいでしょう。
店舗を構える形態ではなくデリバリーサービスであることから、従業員の雇用やイートインスペースの確保も不要。経費を抑えて経営できます。
月30万円をもらいながら研修を受けられる制度を使えば、業務委託料を受け取りながら経営ノウハウを得ることも可能です。
具体的には、調理方法や電話の受け方、配達方法や計数管理、スタッフの育成やマネジメント方法、販売促進のやり方といった店舗運営に必要な知識をひと通り学べます。
高齢者配食サービス 「ライフデリ」
高齢者配食サービス「ライフデリ」は加盟金・保証金・ロイヤリティすべてかかりません。
加盟店継続率は3年平均で96.5%と高水準であることから、居心地が良く、収益率も悪くないフランチャイズ本部であると言えるでしょう。
高齢者をターゲットにした配食サービスは、高齢化社会の今後も高い需要が見込まれるジャンルです。
加盟店同士が顧客を奪い合うことにならないよう、加盟店によって担当エリアを保護しているため安心して売上アップに集中できます。
店舗では開封、湯煎して盛り付けるだけなので、調理経験や専門的な資格不要で経営できる点もメリットです。
ヒューマンアカデミー サイエンスゲーツ
ヒューマンアカデミーが展開する「サイエンスゲーツ」は、ロボット教室で培った教材開発と運営ノウハウをもとに開発した新しいカリキュラムを採用した幼児教育サービス。
加盟金や契約金は不要で、すでに運営している学習塾や語学・音楽などの習い事教室、学童やアフタースクールなどに併設することも許可されています。
複数のビジネスをしたい人にもぴったりなフランチャイズ本部です。
集客方法や教室運営の進め方、教材の発注方法まですべてマニュアル化されているため、教室の運営が未経験でも安心して経営できるでしょう。
よくある質問
ここでは、フランチャイズの開業資金でよくある質問をまとめました。ぜひご活用ください。
フランチャイズ本部から開業資金の補助はありますか?
直接的な金銭の補助をしてくれるフランチャイズ本部は多くありません。
しかし、開業資金の補助サポートが受けられるフランチャイズ本部は珍しくありません。
- 物件取得費用の一部を負担
- 事業計画書の作成サポート
- 融資窓口の紹介・同席
開業のためのサポートには、どのようなものがあるのか確認しておくと良いでしょう。
フランチャイズの開業資金は自己資金と合わせて
フランチャイズの開業資金は選ぶ業界やフランチャイズ本部によって異なりますが、オーナーの80%以上が1,000万円未満でフランチャイズでの開業を実現しているようです。
できるだけ自己資金でまかなうことが好ましいですが、難しければ日本政策金融公庫や銀行からの融資を受けたり、補助金や助成金の活用をしたりすると良いでしょう。
フランチャイズ本部の中には、融資申請の際に使う事業計画書を一緒に作ってくれるサポートをしてくれることもあります。
また、開業資金を抑えるためには物件費用を抑えるのが近道。
無店舗型の業種を選んだり、居抜き物件を活用したりして、できるだけ物件費用を抑えておくと安定した資金繰りが目指せますよ。