餃子は、日本人にとって最も身近な「日常食」のひとつです。外食でも家庭でも愛され続けるこのジャンルは、飲食フランチャイズの中でも根強い人気を保っています。
一方で、「餃子フランチャイズは本当に儲かるの?」「無人販売は閉店ラッシュと聞くけれど大丈夫?」といった不安の声も少なくありません。
この記事では、餃子フランチャイズの仕組みや費用、年収の目安から、主要ブランドの比較、無人販売のリスクの実態までを、公的データと各本部の公開情報をもとに中立的に解説します。
未経験から独立を目指す方が、自分に合った開業スタイルを判断できるよう、一次情報を重視してまとめました。
目次
餃子フランチャイズの仕組みと市場動向
餃子フランチャイズとは、本部が確立したブランドやレシピ、運営ノウハウを活用して独立開業する仕組みです。
未経験者でも短期間で開業できる点が、独立を検討する方に支持されています。
ここでは、フランチャイズの基本的な仕組みと、餃子業界の市場動向を整理します。
本部・加盟店・顧客の三者関係
フランチャイズは、「本部(フランチャイザー)」と「加盟店(フランチャイジー)」、そして「顧客」の三者で成り立っています。
本部は、ブランド名やレシピ、調理マニュアル、集客ノウハウを加盟店に提供します。
加盟店は、その対価として加盟金やロイヤリティを支払い、店舗運営を担います。
顧客は、どの店舗でも同じ品質の餃子を安心して楽しめる、という関係です。
この仕組みにより、加盟店は「ゼロからブランドを立ち上げる負担」を大きく減らせます。
ノウハウ
→
サービス
→
「店舗型」と「無人販売型」2つの業態
餃子フランチャイズには、大きく分けて2つの業態があります。
ひとつは、イートインを中心とした「店舗型」です。餃子専門店や餃子居酒屋がこれにあたり、調理・接客を伴うため、飲食店経営に近いスタイルです。
もうひとつが、冷凍生餃子を販売する「無人販売型」です。店員を置かず、顧客が冷凍庫から商品を取り出して料金箱に代金を入れる方式で、人件費を抑えられる点が特徴です。
このほか、テイクアウトやデリバリー、自動販売機を組み合わせたハイブリッド型も登場しています。どの業態を選ぶかで、必要な資金や働き方が大きく変わります。
市場動向:急拡大とその後の淘汰
餃子業界、とりわけ無人販売市場は、コロナ禍を境に大きく変動しました。
帝国データバンクの調査によると、無人餃子店は2020年度末の約131店舗から急増し、2023年7月には約1,400店舗にまで拡大しています。しかしその後は「減少基調にある」とされ、参入と淘汰が同時に進む局面に入りました。
背景には、非接触ニーズによる急拡大の反動や、供給過剰、後述する窃盗被害などの構造的な要因があります。
一方で、餃子そのものは一時的なブームで終わる商材ではなく、日常食としての底堅い需要があります。つまり、業態や本部選びを誤らなければ、依然として安定経営を目指せる市場だと言えます。
※出典:帝国データバンク(各種報道による引用)
餃子フランチャイズおすすめ4選【徹底比較】
ここからは、餃子フランチャイズの主要4ブランドを、公開情報をもとに紹介します。店舗型から低資金で始められるライセンス型まで、特徴の異なるブランドを厳選しました。
各ブランドの詳細は、それぞれの案内ページで確認できます。
オリオン餃子(加盟金・ロイヤリティ0円の店舗型)
「オリオン餃子」は、餃子の街・宇都宮で人気を集める肉汁たっぷりの餃子専門店です。食事利用と居酒屋利用を両立するハイブリッド業態で、昼夜を通じた安定した売上を狙えます。
最大の特徴は、加盟金・ロイヤリティが0円である点です。初期投資や毎月の固定コストの負担を抑えられるため、飲食未経験の方でも参入しやすい設計になっています。
公開されている収益モデルでは、月商750万円・営業利益123万円といった数値が示されています。職人不要の簡単調理法や、直営店での無料研修など、開業前後のサポートも整っています。
餃子のかっちゃん(急成長中の餃子居酒屋)
「餃子のかっちゃん」は、株式会社doubleが展開する餃子居酒屋ブランドです。ハイボール99円、特製餃子3個199円といった圧倒的なコストパフォーマンスで集客し、急成長を続けています。
全自動餃子焼き機とプライベートブランド商品を活用することで、少人数のアルバイトでも大型店を運営できる仕組みが強みです。
公開情報では、原価率32%、路面20坪・40席の小規模店でも月商680万円・営業利益約109万円が見込めるとされています。月額ロイヤリティは純売上高の5%で、契約更新料は不要です。
餃子の王将(全国区の大手ブランド)
「餃子の王将」は、1967年創業の株式会社王将フードサービスが展開する、全国的に知られる中華料理チェーンです。店内で餃子を包む「店内調理」を強みとし、「早い・安い・うまい」で長年愛されてきました。
同社の決算資料によると、2025年3月期時点の総店舗数は728店舗で、うち直営が551店舗、フランチャイズが177店舗です。直営比率が約76%と高く、フランチャイズ加盟の門戸は限定的とされています。
加盟金・ロイヤリティ・開業資金は公式では非公開で、詳細は本部への問い合わせが必要です。一般加盟だけでなく、社員から独立する「社内独立制度」がある点も特徴です。
包王paou(低資金で始められる肉餃子ライセンス)
「包王paou」は、株式会社アップラインズが展開する肉餃子専門ブランドです。世界で初めて餃子でモンドセレクション金賞を受賞するなど、20年以上の実績を持つ人気店です。
最大の特徴は、開業資金の低さと開業スタイルの自由度です。路面店の新規開業だけでなく、キッチンカー、催事販売、既存店へのメニュー導入、さらには無人プレハブや自動販売機モデルにも対応しています。
有料プランでも初期費用は合計48万円〜と低水準で、毎月の固定ロイヤリティは0円です。飲食店限定で加盟金0円のフリーライセンスも用意されており、リスクを抑えて試せる仕組みになっています。
4ブランド 加盟金・ロイヤリティ・開業資金 一覧比較
ここまで紹介した4ブランドの主要条件を、一覧で比較します。自分の資金や希望する働き方に合わせて、比較検討の参考にしてください。
| ブランド | 業態 | 開業資金 | 加盟金 | ロイヤリティ |
|---|---|---|---|---|
| オリオン餃子 | 店舗型(食事×居酒屋) | 約400万円 | 0円 | 0円 |
| 餃子のかっちゃん | 店舗型(餃子居酒屋) | 2,000万円〜 | 200万円 | 純売上の5% |
| 餃子の王将 | 店舗型(中華・餃子) | 非公開 | 非公開 | 非公開 |
| 包王paou | テイクアウト/無人対応 | 60万円〜 | 0円プランあり | 0円 |
※各数値は各本部の公開情報に基づきます(2026年時点)。物件取得費や内外装工事費は別途必要です。王将の各費用は公式非公開のため要問い合わせです。
餃子フランチャイズの開業費用・初期投資
餃子フランチャイズの開業費用は、業態によって大きく異なります。数十万円で始められるライセンス型から、数千万円規模の本格的な店舗型まで幅があります。
ここでは、費用の内訳とロイヤリティの相場を整理します。
店舗型の初期費用の内訳
店舗型の場合、加盟金や保証金に加え、物件取得費・内外装工事費・厨房設備費などが大きな比重を占めます。
たとえば、ある餃子居酒屋ブランドの公開情報では、60坪の居抜き物件で開業する場合、加盟金200万円、加盟保証金100万円に加え、厨房機器約550万円、店舗施工・デザイン費、看板代、POSレジ、店舗備品などが必要とされています。
これらを合計すると、店舗型の総投資額は1,900万〜2,000万円台になるケースが一般的です。一方で、加盟金・ロイヤリティを0円に設定し、開業資金を約400万円に抑えているブランドもあります。
同じ店舗型でも、本部の方針によって初期費用は大きく変わる点に注意が必要です。
無人・テイクアウト型の初期費用の内訳
無人販売型やテイクアウト型は、店舗型に比べて初期費用を大きく抑えられます。接客スペースや大型の厨房が不要なため、設備投資が小さく済むためです。
たとえばライセンス型の場合、ライセンス使用料や販促セット、冷凍ショーケースなどの備品を合わせて、数十万円〜数百万円で開業できるケースがあります。
無人販売の一般的な開業資金は、業界の情報では100万〜200万円程度が目安とされることもあります。ただし、冷凍設備や物件、防犯対策などのコストは業態や立地によって変動します。
低資金で始められる分、後述するリスク管理がより重要になります。
ロイヤリティの仕組みと相場
ロイヤリティは、ブランドやノウハウを利用し続けるために本部へ支払う費用です。
方式は大きく分けて、売上の一定割合を支払う「売上歩合方式」と、毎月一定額を支払う「定額方式」、そして「ロイヤリティ0円」の3つがあります。今回紹介したブランドでは、売上歩合方式(純売上の5%)と、ロイヤリティ0円の両方が見られました。
ロイヤリティは加盟している限り払い続けるため、わずかな差でも長期的には大きなコスト差になります。加盟金の安さだけでなく、ロイヤリティの方式と料率も含めて総合的に判断することが大切です。
餃子フランチャイズの年収・収益シミュレーション
餃子フランチャイズで得られる収入は、業態・店舗規模・立地によって大きく変わります。ここでは、各本部が公開する収益モデルをもとに、店舗型と無人・テイクアウト型のイメージを整理します。
なお、以下の数値はあくまで本部公開のモデルケースであり、実際の収益を保証するものではありません。
店舗型の収益モデル
店舗型は、売上規模が大きくなりやすい一方、人件費や賃料などの固定費も大きくなります。各本部の公開する収益モデルは以下の通りです。
| ブランド | 月商 | 営業利益(目安) | 備考 |
|---|---|---|---|
| オリオン餃子 | 750万円 | 123万円 | 本部公開の収益モデル |
| 餃子のかっちゃん | 1,300万円 | 450万円 | 本部公開の収益モデル |
| 餃子のかっちゃん(小規模店) | 680万円 | 約109万円 | 路面20坪・40席の想定 |
これらは好調店を含むモデルケースであり、立地や運営状況によって変動します。複数店舗を展開することで、オーナー収入をさらに伸ばせる可能性もあります。
無人・テイクアウト型の収益モデル
無人・テイクアウト型は、売上規模は店舗型に劣るものの、人件費が極めて少ないため利益率が高くなりやすい点が特徴です。
たとえば包王paouの公開情報では、無人プレハブモデルの場合、月商100万円・年商1,200万円に対し、粗利益480万円・営業利益370万円というモデルが示されています。この場合の人件費は、発注・陳列・集金にかかる月3.6万円程度とされています。
売上は控えめでも、少ない手間で運営できるため、副業や法人の新規事業として選ばれるケースもあります。ただし、これは好条件でのモデルであり、立地や競合状況によって実績は大きく変わります。
「年収1000万円」は可能か?現実的なライン
餃子フランチャイズでは、「年収1000万円」を訴求するブランドも見られます。
店舗型で月商1,000万円を超える好調店や、複数店舗を運営するオーナーであれば、年収1000万円は十分に射程に入る数字です。一方で、1店舗のみ・平均的な売上の場合は、オーナー年収数百万円〜という水準が現実的なラインと考えられます。
無人・テイクアウト型は1店舗あたりの利益は小さいものの、複数拠点の展開によって収入を積み上げる戦略が取りやすい業態です。
いずれの場合も、公開されている高い数値は「上限の目安」と捉え、保守的に事業計画を立てることが重要です。
餃子フランチャイズのメリット
餃子フランチャイズには、未経験からの独立を後押しする複数のメリットがあります。ここでは代表的な3つを紹介します。
知名度のあるブランドを使えるため、開業初期から集客しやすく、ゼロから認知を広げる負担を減らせます。
セントラルキッチンや全自動調理器具、マニュアルの活用により、職人経験がなくても安定した品質を再現できます。
物件選定から研修、開業後の運営指導まで本部の支援を受けられるため、飲食未経験でも挑戦しやすい環境です。
とくに餃子は「日常食」として需要が安定しており、一時的な流行に左右されにくい点も、長期経営を目指すうえでの強みです。
餃子フランチャイズのデメリット・リスク
メリットがある一方で、フランチャイズならではの注意点も存在します。契約前にリスクを正しく理解しておくことが、失敗を避ける第一歩です。
加盟している限り支払いが続くため、利益を圧迫する可能性があります。
メニューや価格、運営ルールに制約があり、独自色を出しにくい場合があります。
契約期間の途中で解約する場合、違約金が必要になるケースがあります。
無人販売は「儲からない」「閉店ラッシュ」って本当?
無人餃子販売については、「儲からない」「閉店ラッシュ」といった声が検索されることも多いテーマです。これは事実に基づく懸念であり、契約前に必ず理解しておくべきポイントです。
帝国データバンクの調査では、無人餃子店は2020年度末の約131店舗から2023年7月には約1,400店舗へと急増しましたが、その後は減少基調に転じています。
閉店が相次いだ主な要因として、報道では以下の点が指摘されています。
これらは無人販売型に特有のリスクであり、店舗型とは異なる注意が必要です。一方で、立地選定や商品の差別化、防犯対策を徹底することで生き残っている店舗も存在します。
無人販売を検討する場合は、こうしたリスクを前提に、本部の支援内容や差別化戦略をよく確認することが重要です。
※出典:帝国データバンク、各種報道
失敗しない餃子フランチャイズ本部の選び方
餃子フランチャイズで成功するには、自分に合った本部を選ぶことが欠かせません。ここでは、本部選びで確認すべき4つのポイントを紹介します。
店舗型か無人・テイクアウト型か、働き方や投資可能額に合う業態かを確認します。
加盟金・ロイヤリティ・開業資金の内訳が明示され、収益に見合っているかを見極めます。
研修や物件選定、開業後の集客支援など、未経験でも運営できる支援があるかを確認します。
店舗数の推移や運営年数、ブランドの成長性など、継続的に支持されているかを確認します。
とくに、公開されている収益モデルが「好調店の数値」に偏っていないか、平均的な店舗の実績も確認できるかは重要な判断材料です。複数の本部から資料を取り寄せ、条件を比較したうえで判断しましょう。
餃子フランチャイズ 開業までの流れ
餃子フランチャイズの開業は、一般的に以下のステップで進みます。本部によって多少異なりますが、大きな流れは共通しています。
気になるブランドの資料を取り寄せ、事業内容や費用を確認します。
本部の説明会に参加し、ビジネスモデルやサポート内容について疑問点を解消します。
本部と相談しながら、収益を左右する物件・立地を決定します。
契約内容や重要事項の説明を受け、納得したうえで契約を締結します。
調理・運営研修を受け、開業に向けた準備を進めます。
開店後も、本部の定期サポートを受けながら運営を安定させていきます。
契約前の説明会は、疑問や不安を解消できる重要な機会です。複数のブランドを比較し、納得できるまで質問することをおすすめします。
よくある質問(FAQ)
餃子フランチャイズに関して、よく寄せられる質問をまとめました。
まとめ
餃子フランチャイズは、日常食としての安定した需要を背景に、未経験からでも独立を目指せる魅力的な選択肢です。一方で、業態によって必要な資金やリスクは大きく異なります。
店舗型は売上規模が大きい分、初期投資と固定費が高く、無人・テイクアウト型は低資金で始められる反面、供給過剰や窃盗といった業態特有のリスクがあります。
本記事で紹介した4ブランドは、それぞれ費用・業態・サポート体制に特徴があります。まずは複数の本部から資料を取り寄せ、条件を比較したうえで、自分に合った開業スタイルを見極めましょう。
フランチャイズ本部構築・運営支援を専門とするコンサルティング会社。鰻の成瀬、ブロッサムジュニアなど多業種のフランチャイズ展開を支援した実績を持つ。本部と加盟店の双方の視点から、フランチャイズビジネスの発展をサポートしている。
https://fbi-consulting.jp/
フランチャイズビジネスLABO編集部は、独立・開業を目指す方に向けて、フランチャイズの「リアル」を中立的な立場から発信しています。
本部の魅力や収益性だけでなく、「自分に合うかどうか」を見極めるための情報を大切に、専門コンサルタントや現場の声をもとに丁寧に記事を制作。
選ぶ側にも、選ばれる側にも誠実なメディアを目指しています。