エステサロンの開業に必要な資金は、どのような店舗形態にするかによって変わってきます。
例えば、テナントを借りて開業するよりも、自宅の一部を店舗として使えば開業資金は抑えられるでしょう。
この記事ではエステサロンの開業にかかる初期費用や、開業費用を抑える3つの方法について紹介します。
顧客に期待される部分にはお金をかけ、効率的に集客につながる店舗を作っていきましょう。
エステサロンの開業にかかる初期費用
エステサロンの開業に必要な初期費用は次のようなものが挙げられます。
- 物件取得費
- 内装費
- 設備機器費
- 備品
- 宣伝広告費
どれも手を抜けない初期費用ですが、できるだけ抑えておくと安心です。
なぜなら事業スタート時にお金をかけすぎてしまうことにより、回収できずに廃業に追い込まれてしまう可能性があるためです。
また、フランチャイズに加盟してサロンを開業する場合には、上記の他に「加盟金」と「保証金」がかかることがあります。
抑えられるところはコストを下げておき、事業が軌道に乗ってから少しずつ拡大していきましょう。
物件取得費|賃料の6ヶ月〜1年分最初は自宅を店舗にする方法も
「物件取得費」は、エステサロンで使う店舗の取得や賃貸のためにかかる費用を指します。
賃貸の場合には敷金や礼金、保証金や引越し費用などが必要です。
エステサロンは基本的に個室での対応になるため、複数人の顧客を受け入れるサロンを考えているのであれば、ある程度の広さが必要でしょう。
他にも物件の立地や広さ、前の使用者が退去した状態のまま使う「居抜き物件」かどうかによっても価格は異なります。
賃貸物件では契約時に賃料の6ヶ月〜1年分が初期費用としてかかるため、仮に月額20万円の物件であれば120〜240万円ほどが必要でしょう。
自宅をサロンとして使う場合にはこれらの初期費用はかからないため、最初は自宅を活用したり、少し狭い物件を選んでコストダウンする方法もおすすめです。
内装費|300万円程度に抑えたほうがベター
居抜き物件ではない限り、物件の内装にもお金がかかります。
特に自宅での開業の場合には、“自宅感”をあまり感じさせない内装にするのがいいでしょう。
ただし、開業初期の内装は300万円程度に抑えておくのがポイントです。
エステサロンの雰囲気を壊さない程度の内装に整え、凝りすぎないように気をつけてください。
最初から過度に凝りすぎてしまうと、資金状況を圧迫する恐れがあります。
事業が軌道に乗り始めてから少しずつ整えていくと安心です。
設備機器費|100〜300万円程度
脱毛サロンや痩身目的のサロンなど、エステ機器を使用する形態のエステサロンを開業するのであれば設備には手を抜けません。
なぜなら顧客が一番期待しているのは、エステ機器の性能の高さであるためです。
雰囲気の良いサロンでも機器の性能が低く、自分の理想とする効果が得られなければリピーターになることはありません。
マシンの台数や種類、最新機種かどうかなどによって異なりますが、設備機器の金額は100〜300万円程度かかると見込んでおくと良いでしょう。
導入する予定のエステ機器が高額の場合には、他の部分でコストカットをするなどの工夫をしてみてくださいね。
高額の機器を導入するのが資金的に厳しい場合には、リースの活用もおすすめです。
備品|50〜100万円程度
エステサロンにおける備品とは、施術用のベッドやシーツ、タオルやお客さん用の紙パンツ、顧客管理のパソコンなどが含まれます。
ベッドやソファの座り心地は顧客満足度に繋がってくるため、費用をかけるのは悪くありません。
一方で、その他の備品に関してはあまりお金をかけすぎないように注意が必要です。
サロンの広さや種類にもよりますが、備品に関しては50〜100万円程度がかかるでしょう。
宣伝広告費|30万円程度
店舗の集客に関わる広告宣伝は、オープン前に欠かせない初期費用の1つです。
特に自宅をサロンとして使う場合、エステサロンがあること自体がわかりにくいため宣伝は欠かせません。
そのため、近隣住民への周知としてダイレクトメール(DM)をポスティングしたり、配布したりするための費用や、ホームページの作成にかかる費用が必要です。
予算としては、30万円程度を見積もっておけばいいでしょう。
宣伝には、TwitterやInstagramなどのSNSアカウントを無料で開設して運用する方法もあります。
しかし、SNSは人の目にとまるまでに時間がかかったり、店舗の近くにいる人に届きづらいというデメリットがあるのも事実。
まずは近くの住民や働いている人など、来店しやすい人をターゲットに宣伝すると効率的です。
エステサロンの事業運営にかかるランニングコスト
エステサロンは事業運営にランニングコスト(継続的にかかる費用)があります。
一番大きなコストは人件費。個人サロンではかかりませんが、複数の顧客に対応するサロンでは従業員の雇用が必要です。
従業員を雇用する際には一定の技術があることが望ましいため、研修費用がかかる場合があります。
また、開店前からの広告宣伝を開店後も続けていくことになるため、ホームページのサーバー代やチラシの印刷代が継続的にかかるでしょう。
他にも、予約サービスやソフト、決済端末などのシステムを使うための利用料や、フランチャイズでの出店の場合はロイヤリティの支払いも欠かせません。
継続してかかるコストを抑えることができると、運転資金にも余裕がつくりやすくなります。
顧客数が少ないうちは最低限の料金プランの予約サービスを選んだり、顧客の管理表を手作りするといった方法もおすすめです。
エステサロンの開業費用を抑える3つの方法
開業初期は費用がかさむ傾向にあります。
顧客が少なく売上を伸ばしていく段階では、できるだけ費用を抑えたほうが無難。
なぜなら思ったように売上が伸びないと費用を回収できず、負担だけが大きくのしかかってしまう場合があるためです。
エステサロンの開業費用を抑えるためには、以下のようにいくつかのポイントがあります。
- 開業場所を見直して賃料を削減する
- 設備や備品を安く手に入れる
- 独立支援のあるフランチャイズを利用する
基本的には自分で費用を抑えられるように検討が必要ですが、独立支援のあるフランチャイズに加盟する方法も選択肢の1つです。
ここでは、エステサロンの開業費用を抑える方法を見ていきましょう。
1.開業場所を見直して賃料を削減する
エステサロンの開業資金を抑える1つ目の方法は、開業場所を見直すこと。
新たに物件を借りると、毎月の賃料だけでなく、初期費用として敷金・礼金や保証金などある程度のまとまった出費が必要になります。
まとまった出費が難しいようであれば、自宅の1室を利用してスタートさせることで開業初期の出費がかなり抑えられるでしょう。
室内の雰囲気をサロンのコンセプトに合う内装にする必要はあるものの、物件を借りるよりは安価で済むはずです。
また、完全プライベートサロンのように1組ずつしか受けないのも選択肢の1つ。
そうすることにより多くの部屋が必要なくなるため、あまり広くない物件でも対応できるようになります。
広くて大きな物件になるほど家賃や初期費用がかかるため、最初は規模の小さい物件を狙うのもおすすめです。
2.設備や備品を安く手に入れる
開業資金を抑える2つ目の方法は、設備や備品を安く手に入れること。
サロン設備は顧客の期待・満足度に直結する部分のため、できるだけ最新機器を揃えたほうが集客効果は期待できます。
一方で、高額のマシンは資金を圧迫させる要因にもなりやすいポイント。
開業費用を少しでも抑えるなら、たとえば脱毛サロンであれば脱毛器は最新機種を置き、オプションで使用する痩身マシンは旧型品から徐々に良いマシンにランクアップさせていく方法があります。といいでしょう。
3.独立支援のあるフランチャイズを利用する
エステサロンの開業資金を抑える方法の3つ目は、独立支援のあるフランチャイズを利用するのも1つの手です。
フランチャイズとは、本部からのサポートを受ける代わりに加盟店がロイヤリティ(手数料)を支払うビジネス形態のことを指します。
月々のロイヤリティがかかってくるため「経営資金が逼迫するのではないか」と不安に思う人もいるでしょう。
しかし、独立する際の初期費用や物件取得にかかる費用を本部が負担してくれるサポートがあることも。
事業が軌道に乗ってから返済する形にできるため、資金が少ない初期には助かる支援です。
加盟金やロイヤリティと受けられるサポートのバランスを見て、自分にとってプラスになるようであれば加盟を検討するのもいいでしょう。
フランチャイズのメリットやデメリットについて詳しく知りたい方は、下記の記事を参考にしてみてください。
エステサロンは顧客へのメリットに資金を使って
エステサロンの開業にかかる費用には、物件の取得や内装費用、備品や広告宣伝のための資金など、避けては通れないものばかり。
中でもエステサロンで欠かせない脱毛器や痩身マシンなどの設備機器は、性能が高いほうが効果も高く、顧客に対して宣伝効果が期待できます。
ただし、資金が少ない時期に無理をして設備を導入する必要はありません。
まずは事業運営が安定することを優先しましょう。
初期費用を抑えたり、事業初期から最新機器を利用したりするためには、フランチャイズに加盟してスタートさせるのがおすすめ。
フランチャイズ本部によっては、初期費用や物件取得・内装にかかる費用を一時的に負担してくれたり、最新機種の設備を使わせてくれたりすることがあるためです。
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複数の本部を比較して検討できるので、本部選びの失敗も少なくなるはずですよ。